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日本を直撃「息切れ倒産」という春の嵐。景気回復で逆に中小が壊滅するワケ=原彰宏

売上回復が見込まれない中での返済再開

日本の企業数は、中小企業を合わせて356万社と言われています。その約2%が毎年減っています。356万社の2%は、7万1,200社。すごくないですか?

倒産件数が減っていると言っても、企業売上が元に戻っていない企業は、ピーク時で8割、足元でも7割もあるそうです。中小企業の内部留保金は、平均すると月の売上2ヶ月分だそうです。

昨年春の感染拡大において、手持ち現金がなくなった頃に支援金が入り、それで倒産が延命されているのですが、それでも売り上げは減っていて、そこに休業要請が出されています。

三密対策は、経済規模を縮小するキラーワードであり、止めは「不要不急の外出自粛」の大合唱です。経済が回るはずがありません。

無症状の感染者を特定するためのPCR検査を拡充して、感染者を隔離する対策を取り、しかる処置の後に社会に復帰してもらって経済を回してもらうというシナリオを立てれば、一時的に経済は止まっても、その後、経済を回す機動力は回復すると思うのですがね。どう考えても不思議なのですが、どうして日本ではPCR検査が普及しないのでしょうか。経済対策の最善の措置は感染者対策だと思うのですがね。両者はどちらも大事で、両者を対立させていることにどうしても違和感を感じてしまいます。

中小企業にとって、支援等があったのは昨年5月頃。もう半年以上経っています。

政府の支援に「リスケ」があります。企業から返済猶予の相談があれば受けるようにという指導ですが、猶予期間は、最長5年となっているのですが、現場での実際は、1~2年の猶予期間になっているそうです。

となるともうそろそろ、返済が再び始まる時期に来ています。果たして売上は回復しているのでしょうか。どう考えても厳しいでしょうね。

これらはすべて、今年2021年に表面化してくる話なのです。

負債総額1,000万円未満の企業が消えている実態

2020年、負債10億円以上の大型倒産が198件(前年185件)と増えましたが、2019年を下回るもので、50年間では1971年(7,125億5,400万円)に次ぐ、4番目の低水準となりました。

負債1億円未満は5,925件(構成比76.2%、前年6,288件)で、小規模倒産を主体とした推移に大きな変化はないとしています。

「新型コロナウイルス」関連倒産は、累計で792件に達しました。

以上が、倒産統計集計となっているのですが、実は倒産件数のカウントは、負債総額が1,000万円以上の企業の統計になっているのです。

でも実際には、負債額数百万円で倒産している企業が多く、それらは企業倒産の統計には出てきません。

1,000万円未満の負債額倒産件数は、2020年は過去において、最も多い年だったのです。1,000万以上の負債額倒産は減っていますが、1,000万円未満の負債額倒産は増えているのです。具体的には、焼き鳥屋さんやうどん屋さん、八百屋さんなど、まさに零細企業・個人商店の倒産が増えています。今回の政府支援が行き渡っても、もともと体力がなくて売上が立たないことで倒産したところが多いようです。

個人飲食店などは、自転車操業のところが多いと思われます。まさに統計上には表れては来ない「隠れ倒産」なのかも知れません。

リーマン・ショック後は、この1,000万円未満の企業は倒産が増えています。このことは、自然に企業が淘汰されていったということを表しています。デービッド・アトキンソン氏の中小企業淘汰論は、すでに進んでいるのかもしれませんね。

個人商店は、売上はそれなりに立っていて、経営は成り立っているようには見えますが、価格競争の波もあり、内部留保金を貯めるところにまでは至っていないことが見て取れます。体力が弱かったとは、そういうことなのですね。

統計だけでは見えないけれども、今は明らかに零細企業や個人商店の倒産は増えていると言えます。その流れは、今後、中小企業や大企業にまで及んでくるのではないかという懸念もあります。

また、女性の自殺者が増えています。飲食店や観光業、アパレル業界には、女性の非正規雇用の方が多いようにも思えます。企業倒産は雇用にも影響し、それが自殺者増につながるという、悲しい連鎖になっていることは、否めないのかも知れませんね…。

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