fbpx

コロナ禍で中年サラリーマンの淘汰が加速。解禁進む「副業」で生き残る方法=俣野成敏

事務を手伝った会社が売上3倍に

大木さんが友人の事務所に行ってみると、友人は本業のデザイン以外に、書類作業や発注業務、顧客との折衝なども、すべて1人でこなしている状態でした。当然、1人ではさばき切れなくて、いろいろなことが滞っていました。

それを見た大木さんは、「社長。今、面倒くさいと思っていることを、とにかく全部私に振ってみてください。ご希望の予算で全部やってみます。

もし、時間や量が合わないようであれば、その時にご相談させていただきますので、まずは何も考えずに全部話してください」といいました。

その後、大木さんは社長と一緒に、約2時間で200項目くらいの業務を書き出し、できるところから手を付けていきました。

たとえば期日がきたら、大木さんが社長に代わって請求書を送ったり、溜まっていた書類を片付け、必要であれば督促をかけたりするなど、テキパキと雑務を片付けていきました。

また社長のスケジュールをどんどんタスク化して、片付けたら消去していくようにするなど、業務を明確化しました。

こうして雑務から開放された社長は、本業に集中できるようになり、1年後には売り上げが3倍に急増。これが口コミで広がって、大木さんは再就職することなく、事務で独立を果たしたのです。

特技とは「人並外れた能力である必要はない」

大木さんが、自分の特技に気づいた時の話をしましょう。

大木さんが最初に就職したのは、保険会社の営業職でした。でも「営業は、まったく向いていなかった」そうです。当然、成績は泣かずとばず。一方、先輩や同僚たちは、営業は得意でも、得てして片付けが苦手でした。いつも彼らが「大事な資料がない」と探し回っている時に、大木さんは何の書類かを聞かなくても、「これですか?」と差し出すことができました。

そのうち、社内で「探し物は大木に聞けばわかるよ」「大木のところにあるよ」とまで言われるようになりました。こうした経験から、「自分は書類整理などが得意だな」と何となく感じていたということです。

そして、この特技が後々、独立して仕事をする際に、大いに発揮されることとなったのです。

Next: 人から頼りにされる仕事が武器になる。最初の顧客はどう見つける?

1 2 3 4
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー