fbpx

岸田政権お前もか。竹中平蔵氏「デジタル田園都市構想」参画の波紋。マイナンバー頼みで目新しい政策なし=原彰宏

デジタルを軸に3つの成長戦略会議を新設

岸田政権の成長戦略に関して、3つの会議を新設します。

「デジタル田園都市国家構想実現会議」
「デジタル臨時行政調査会(臨調)」
「全世代型社会保障構築会議」

岸田首相は、8日の「新しい資本主義実現会議」の会合で、これら3つの会議での検討結果を統合した上で「来春にグランドデザインと、その具体化の方策を取りまとめ、世界に向けて発信する」と表明しています。

「デジタル田園都市国家構想」はその1つで、地方からデジタル化を進め、都市部との格差の是正を目指し、地方活性化へのビジョンを示す狙いとしています。「地方活性化+成長戦略」というもので、3人もの大臣が船頭になっているものですね。

ちなみに、牧島かれんデジタル担当大臣が取り仕切る「デジタル臨時行政調査会(臨調)」は16日に始動します。デジタル、規制、行政の改革を一体的に検討するもので、民間有識者8人を起用、ディー・エヌ・エー(DeNA)の南場智子会長やフューチャーの金丸恭文会長兼社長らが加わると報じています。

3つ目の、社会保障全般について議論する「全世代型社会保障構築会議」は、座長には日本私立学校振興・共済事業団の清家篤理事長が就き、傘下に増田氏が座長を務める「公的価格評価検討委員会」を置きました。9日に初会合を開き、看護師や介護士、保育士らの賃上げに向けた施策を練ったとのことです。

介護や看護の現場からは、もちろん賃上げは嬉しいですが、それだけで根本問題が解決するものではないという言葉も聞いています。

増田氏は「このままでは896の自治体が消滅しかねない」という東京一極集中に警鐘を鳴らす「地方消滅」という書籍を出すなど、地方分権に積極的な立場です。

果たして岸田政権で、これまで遅々として進まなかった成長戦略が一歩でも前に進むのか。

「デジタルが日本を救う」というお題目は果たして正解なのでしょうか。さらに、アベノミクス成長戦略継承なら、安倍政権下「国家戦略特区構想」はどうなっているのかを検証してもらいたい…などなど、今後とも目が離せないです。

これが岸田政権の通信簿の評価項目に入ることを、ここで指摘しておきたいです。

ここからは「デジタル田園都市構想」がどんなものなのかについて、解説していきます。

「デジタル田園都市構想」とは?関係する3名の大臣

前述の通り「デジタル田園都市国家構想」は、岸田文雄首相が成長戦略の柱の1つとして掲げているものです。つまり、地方のデジタル化によって、経済を発展させるというのです。

このプロジェクトに関わる大臣は3人です。

牧島かれんデジタル担当大臣は5日の閣議後記者会見で、若宮氏を中心に実現会議を開く方向で調整を進めていることに言及しました。

若宮健嗣内閣府特命担当相の担務は消費者及び食品安全、クールジャパン戦略、知的財産戦略および国際博覧会担当、共生社会担当、まち・ひと・しごと創生担当となっています。

牧島かれんデジタル担当大臣の他に、野田聖子地方創生担当大臣も関わってくるのでしょう。松野博一官房長官は5日の記者会見では、岸田内閣で地方創生分野は野田聖子地方創生担当相と若宮健嗣まち・ひと・しごと創生担当相が連携して取り組む方針を明らかにしています。

Next: キーワードは「地方活性化+成長戦略」。日本は浮上するか?

1 2 3 4
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー