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機内食140万個超の爆売れ。ANAはどうやって営業黒字に戻したのか?新アプリでポイントを配りまくるワケ=俣野成敏

コロナによってビジネスの変革を余儀なくされた分野の1つに、航空業界があります。人々が移動に制限を課されている中で、大きなダメージを受けました。航空会社の惨状はニュースでも度々取り上げられていますが、同時に新しいアイデアが試されているのもこの業界です。ANA(全日空)は21年10-12月期で3割増収、8四半期ぶりの営業黒字となりました。ANAの戦略から、危機をチャンスに変える方法を学びます。(俣野成敏の『サラリーマンを「副業」にしよう』実践編

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※本記事は有料メルマガ『俣野成敏の『サラリーマンを「副業」にしよう』実践編』2022年4月5日号の一部抜粋です。続編にご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:俣野成敏(またのなるとし)
ビジネス書著者、投資家、ビジネスオーナー。リストラと同時に公募された社内ベンチャー制度で一念発起。年商14億円の企業に育てる。33歳で東証一部上場グループ約130社の現役最年少の役員に抜擢され、40歳で本社召還、史上最年少の上級顧問に就任。2012年に独立。フランチャイズ複数店舗のビジネスオーナーや投資家として活動。投資にはマネーリテラシーの向上が不可欠と感じ、その啓蒙活動にも尽力している。自著『プロフェッショナルサラリーマン』が12万部、共著『一流の人はなぜそこまで、◯◯にこだわるのか?』のシリーズが13万部を超えるベストセラーとなる。近著では『トップ1%の人だけが知っている』のシリーズが11万部に。著作累計は48万部。ビジネス誌やwebメディア掲載実績多数。『まぐまぐ大賞』を6年連続受賞。

窮地に陥った航空業界

コロナ前の航空業界は、東京オリンピックやインバウンド需要を見込んだ増員や、設備投資などに多額の投資を行なっていたと言います。

ところがコロナの発生とともに、市場自体が吹き飛ぶという未曾有の危機に見舞われました。

2020年度の航空会社の決算は、ほとんどの会社が対前年5割前後の減収となり、赤字に転落。ANAの場合、売り上げが対前年比マイナス63.1%、営業損益が4,000億円超の赤字、有利子負債も倍近くに膨らみ、自己資本比率も10%下がるほどの衝撃でした。

旅客需要が激減する中で、各社ともコスト削減に乗り出します。減便はもちろんのこと、航空設備の売却や社員を出向させるなどの手を打ちますが、それらだけでは自ずと限界があります。

コロナの収束が見通せない中で、航空会社は旅客以外の収入の道を模索せざるを得ませんでした。

ANAホールディングス<9202> 週足(SBI証券提供)

ANAホールディングス<9202> 週足(SBI証券提供)

「地上でも機内食を食べたい」の声に応えて起死回生

それによって生まれたサービスが、こちらです。

※参考:ANA おうち機内食「140万超完売」。CAごっこ商品も即日売り切れの理由 – Forbes JAPAN(2022年2月9日配信)

実のところ、前々から「地上でも機内食を食べたい」という要望はあったそうです。しかしコロナ前には、そうした顧客の声を汲み取ることができていませんでした。

新しいビジネスは、総じて苦しい時期に生まれます。なんとかして事態を打開しようと、試行錯誤を繰り返すからです。

現在は、有名飲食店などでもテイクアウトが可能です。だったらなぜ、国際線エコノミークラスの機内食が、140万食以上も売れたのでしょうか。

Next: なぜエコノミークラスの機内食が140万食も売れたのか?

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