サラリーマンの副業が「個人事業主の一択」である理由
残念ながら、サラリーマンの節税はほとんど封じられているのが実情です。しかし、そんなサラリーマンでも、副業で個人事業主を始めることで、世界が大きく変わります。
サラリーマンと個人事業主では、そもそも所得の構造が違うからです。
世界的なベストセラー『金持ち父さん貧乏父さん』の中に、このような一文があります。
会社(事業)を持っている人は、お金を使ってから税金を払う。会社のために働いている人(サラリーマン)は、税金を払ってからお金を使う。
出典:『金持ち父さん貧乏父さん』(著:ロバート・キヨサキ他/刊:筑摩書房)
「所得の構造が違う」というのは、要は順番が違うということです。
つまり、
<個人事業主の場合>
稼ぐ→お金を使う→税金を払う
<サラリーマンの場合>
稼ぐ→税金を払う→お金を使う
…となります。
誤解のないようにお伝えしておきますと、個人事業主なら好き勝手にお金が使える、という意味ではありません。あくまでも、事業に関係あることでお金を使うということです。
実は、事業者には家事按分が認められています。
前のパートで、「サラリーマンが仕事で自分の筆記用具を使ったり、携帯で会社に連絡したりするのはよくあるけれども、それを個人と会社で厳密に切り分けるのは難しい」という話をしました。
これは、個人事業主であっても同じです。個人事業主が、自宅と事務所を兼用したり、自家用車を仕事でも使ったりするのは、よくあります。
そこで考えられたのが、家事按分という方法です。
仮に、あなたが家賃10万円の賃貸に住んでいるとしましょう。副業で個人事業を始めて、自宅を事務所として登録すれば、家賃の一部を経費として計上することが可能となります。
これは、ものすごいことです。サラリーマンの時は、家賃も、車のローンも、携帯電話代も、すべて税金を支払った後の、自分のお金の中から捻出していたのに、事業主になれば、一部といえども経費計上が認められ、その分、収入を減らすことができるのですから。
日本は、累進課税と言って、収入に応じた税率で計算されます。つまり、経費を多く計上できれば、それだけ収入を減らすことができ、結果的に税金も少なくすることができるのです。