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「婚約指輪を折半したい」彼女に申し出る男はアリ?ナシ?「甲斐性なし」「都合のイイ男女平等」ジェンダー論争の“新たな火種”に

「婚約指輪の代金を折半したい」そう語るとある男性の相談が、大いに物議を醸しているようだ。

話題となっているのは、ネット掲示板「発言小町」に投稿された、自称・30代技術系公務員だという男性からの相談。それによると、彼女から「コロナで結婚式もできないので、記念に婚約指輪が欲しい。安くても良い」と言われ、2人で店に行ったのはいいものの、婚約指輪は安いものでも17万円ほどするので驚いたとのこと。そこで「婚約指輪を折半して欲しい」と提案したところ、彼女が機嫌を損ねたのだという。

「(彼女の)本性を見てしまった気がしました」と語る男性だったが、女性ユーザーが多いとされる発言小町への投稿だっただけに、その男性への否定的な意見が噴出する展開に。さらに、その投稿がSNS上でも紹介されたことで、大きな波紋を呼ぶこととなっているようだ。

「給料の3か月分」は完全に過去の話に?

プロポーズの際にサプライズ的に渡すのがいまでは定番化するなど、結婚の約束を交わした証しとして、男性から女性に贈るものとされる婚約指輪。

結婚情報誌のゼクシィが調査したところによると、結婚したカップルの74.5%が婚約記念品を用意し、そのうち88.1%が指輪を贈っているということ。つまり婚約する際の半分から3分の2ぐらいのケースで、婚約指輪が渡されているようである。

そんな婚約指輪といえば、相場は「給料の3か月分」だとよく言われるが、このフレーズはダイヤモンドの採掘・加工・流通・卸売を手掛ける世界的企業のデビアス社が、1970年代に広告キャンペーンで唱え、それがいつしか定着したものだということ。要は「土用の丑の日にウナギ」「節分に恵方巻」などと同じパターンだということだ。

実際のところ、最近ではどれぐらいのお値段のものがよく選ばれているというと、上記の経緯もあってか、婚約指輪はダイヤモンドが一般的ということで、価格のボリュームゾーンは20万~40万円、平均では35万円といったところ。

ちなみに、婚約指輪とは異なりお互いに送り合う形となる結婚指輪に関しては、日常的に着用することを勘案し、シンプルなデザインのものを選ぶことが多いようで、平均は2つで25万円程度といったところに落ち着くようだ。

最近では“結婚式離れ”や“ナシ婚”というワードも取沙汰されるなど、結婚にお金を掛けたくない、あるいは掛けるとしても極力現実的な費用に抑えたいという動きが顕著ということで、このように婚約指輪に関しても「給料の3か月分」という基準はすっかり過去のものとなっている模様。

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それを踏まえてみると、今回の相談にあった彼女の指定した店も、“婚約指輪は安いものでも17万ほど”ということで、昨今の相場からはさほどかけ離れていないようにも感じられる。

そのいっぽうで、男性のほうはダイヤモンドの指輪に対し「実用性が低い」「購入した途端に資産価値が下がる」といったコメントからも、かなりのリアリストといった印象にくわえ、「17万を全額負担するのは高すぎる」と折半を申し出たことを考えても、婚約指輪というものの存在にすら疑いがあるようにもみてとれるところだ。

“都合のイイ男女平等”への批判的意見も

SNS上では、今回の2人の対立に関して“価値観の相違”で片づける声もあるなか、やはり男性に対しての「甲斐性なし」などの批判的な声が多い模様。さらに、女性側の欲しがるものを無価値呼ばわりする、また「本性を見てしまった」というコメントを、女性への“見下し”と捉え、嫌悪感を持つといった声も見られる。

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いっぽうで、男性から女性に贈る婚約指輪に対して懐疑的な視線を送るのは、SNS上を見る限り決してこの男性だけではない模様で、日頃男女平等を声高に主張しているような女性も、今回のような婚約指輪にくわえ結納金や挙式費用などが、ほとんど男性側の負担となっている点に関してはスルーしているという、いわゆる“都合のイイ男女平等”への批判の声も。発言小町という女性ユーザー中心のネット掲示板から、SNS上で話が広く拡散したことで、こういった男性的目線の意見も出てきたという状況のようだ。

このように、SNS上で日々繰り広げられるジェンダー論争の“新たな火種”という格好でも、盛り上がり続けているといった今回の件だが、ちなみにネタ元の発言小町でこの投稿があったのは22年3月のこと。話の顛末までは語られることなく、当該トピックはすでに閉じられてしまっているのだが、くれぐれも双方が納得する何かしらの落としどころを見つけ、幸せな結婚に至っていることを願うばかりだ。

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