メンタル編
<26. 自分の買値を考えるのは無駄>
自分の購入価格に固執することは無駄だと私は断言します。購入価格にこだわること、つまり現在の利益や損失を気にしすぎることは避けるべきです。
株価の動きは、あなたの購入価格を考慮しません。株式市場では、株価は供需に基づいて変動します。現在の利益や損失にとらわれず、単純に市場の動向や銘柄の実力を判断しましょう。
利益や損失に関わらず、「良かったら買う、悪かったら売る」に限ります。
<27. ナンピン買いを急ぐな>
ナンピン買いを急ぐことは避けるべきです。
前述したように、下落局面では株価はとことん下がることがあります。現在の買値よりも安いから買いたいという感情に駆られがちですが、グッとこらえることも大事です。
下落局面では、ますます安い価格で購入できるかもしれないという視点で待つことが大切です。現在の保有銘柄が損失を出しているかもしれませんし、平均単価を下げたい気持ちもあるでしょうが、平均単価を下げることそのものには意味がありません。
個別の銘柄よりも、全体的な投資結果が重要です。個別の銘柄が損失を出しても、全体で勝利できれば十分です。
下落局面では、ナイフ床に刺さるのをじっと待つことも良い戦略です。
<28. 上がってからでも買え>
逆に、上昇トレンドでは、自分の購入価格を超えていても、良い銘柄であれば積極的に購入することが重要です。
最初の購入価格に固執せず、市場全体の動向や銘柄の実力に注目し、冷静な判断を心がけましょう。投資は感情に振り回されないことが成功の鍵です。
<29. 成果をあげるのは一握り>
結局、成功するのはわずかな一握りです。
前述の通り、100のうち90銘柄が損失を出しても問題ありません。実際、複数の銘柄に投資する場合、収益を上げるのはその中のごく一部の銘柄に限られることがあります。
たとえば、ウォーレン・バフェットですら、200銘柄以上に投資しているものの、最近の利益の大半は「Apple」のようなひとつの銘柄に集中しています。
したがって、多くの銘柄を保有中でも、1つでも大きな利益を上げる銘柄があれば、それで充分です。そのため、損失を出した銘柄は損切りなどの手法を駆使して早めに切り離し、自信を持った銘柄に集中して育てることが大切です。損失を取り戻すために、損失を抱えたまま銘柄を保持する考え方は避けるべきです。銘柄が悪いと感じたら、その場で売却し、良い銘柄に資金を振り向ける方が賢明です。
最初に単元未満株を使うことを提案したのは、多くの銘柄を調べる機会を作り、その中から成功の銘柄を見つける可能性が広がるからです。
<30. 他人と比べない>
Twitterなど他人の成功を見ると、つい比較してしまうことがあります。他の人が成功しているのに、なぜ自分は上手くいかないのかと自問自答してしまいます。
しかし、他人の成功が持続する保証はありません。実際、成功は一時的なものであることが多いです。あなたが今、上手くいかないかもしれませんが、それも長く続かない可能性もあるのです。
成功は一時的なものであることを考えると、他人の成功を追いかけるよりも、自分の道を信じて進む方が良いです。他人と比べて焦ることは、成功の3日を逃すことにつながりかねません。また、他人が成功の時だけを見ても、全体像が見えません。成功も失敗も含めて、全体を見て学び続けることが重要です。
他人と比べることにはあまり意味がなく、自分の成長と進化に集中し、投資家として成長を遂げることが大切だというのが私の考えです。
最後に
30個、ご紹介させていただきました。1つでも、あなたに共感できる内容があれば幸いです。初心者の方は、ぜひこれを参考にして、自分に合ったアイデアを見つけていただければと思います。
長期投資の視点から述べていますので、短期投資をお考えの方には違うアプローチが必要かもしれませんが、その違いを議論することも、投資家としての成長につながるでしょう。
(※編注:今回の記事は動画でも解説されています。ご興味をお持ちの方は、ぜひチャンネル登録してほかの解説動画もご視聴ください。)
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『
バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問
バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問
』(2023年8月21日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。