「新NISA」と「リスキリング」
「新NISA」については、もういろんなところでその解説はなされています。金融庁ホームページにも解説ページがあります。
運用益非課税措置の恒久化と、この制度を利用する限度額を引き上げて、多くの人が「貯蓄から投資へ」と行動しやすいようにしたというものです。運用で利益がいくら出ても、この制度内では税金がかからないのです。
「リスキリング」とは、今の業務の延長線上であれ、まったく新しい分野であれ、自分の価値を
バージョンアップさせるためのスキルを学ぶ場を企業が、業務時間中に与えることを促進させるもの。岸田政権は、この助成金などリスキリング制度支援のために、5年で1兆円を投じることを表明しています。
国民の皆が自助努力で収入を増やすため、政府としてのサポートとして、「NISA 制度の拡大(新NISA)」と「リスキリング制度拡充」を準備しました。
「リスキリング」でのポイントは、従業員が就業時間に学習できるようにすることと、スキルアップしたら給料を上げる(日本版職能給)ということです。
結果にコミット、スキルアップで給料アップ……これを企業側に求めています。もちろん副業・兼業もOK。何だったら、スタートアップで独立を…というものです。
外資を呼び込む「資産運用特区」構想
岸田文雄首相は訪米中の21日、世界の金融関係者が集まる「ニューヨーク経済クラブ」で講演し、
日本の資産運用業に新規参入するよう呼びかけました。特区創設を柱に規制改革を行い、ビジネス環境を整えると表明したのです。
少額投資非課税制度(NISA)の拡充に続く、「資産運用立国」に向けた重要政策と位置付けています。
金融立国構想は、ずっとありました。同じアジアで言うなら、日本を選ぶかシンガポールを選ぶかということです。
外国企業を呼び込むためには、法人税の引き下げと解雇規制の緩和は避けては通れません。これ、ポイントです。
さあどうする…。
投資を呼び込むための施策として、国際金融センターとしての機能強化に加えて、アジア最大のスタートアップハブの形成、高度なスキルを持つ外国人が取得しやすい在留資格制度の整備などを挙げました。講演で首相は、日本独自のビジネス慣行や参入障壁を是正し、新規参入者への支援プログラム(EMP)を整備する考えを示しました。特区では、英語のみで行政対応が完結できるようにします。日本の資産運用資金が3年間で1.5倍の800兆円に急増しているとも指摘し、パフォーマンスの向上を狙うとも述べました。
「資産所得倍増」を掲げる岸田政権にとって、運用の高度化は一連の政策効果を左右します。
約2,000兆円の個人金融資産の半分以上は現預金です。NISA拡充などに取り組んでいますが、専門性の高さや人材不足などにより、運用側の態勢が十分に整っているとはいえません。
海外勢の呼び込みで運用業が活性化すれば、中間層の資産所得を増やしつつ、企業の成長を後押しすることにもつながると見ています。