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日テレ系「日本海テレビ」幹部が24時間テレビの寄付金を着服。山陰両県で集まった募金の約4%をネコババの悪質ぶりに「寄付するのがバカバカしい」との声

日本海テレビジョン放送株式会社の経理担当幹部社員が、「24時間テレビ」の寄付金など計1,118万円余りを着服していたことが判明し、大きな衝撃が走っている。

報道によると、この幹部社員は2014年から今年にかけて「24時間テレビ」の寄付金計264万6,020円を、さらに14~21年には会社の売上金など計853万6,555円をそれぞれ着服していたとのこと。

日本海テレビは27日付でこの幹部社員を懲戒解雇し、翌28日には鳥取県警鳥取署に被害届を提出。同社はリリースを公表し「一般の皆様から寄せられた善意を踏みにじって私腹を肥やした行為で、到底許せません。弊社は責任をもって保管すべき皆様の浄財が着服されるのを10年間、見落としてしまいました。深くおわび申し上げます」としている。

募金のずさんな管理体制も浮き彫りに

社会の公器であるテレビ局とはいえ、会社の売上からの横領・着服であれば、あくまで一企業の内々での問題ということで、株主でもない外部がむやみに騒ぎ立てる謂れはないのだが、こともあろうか番組内で募った福祉のための募金を着服していたということで、当然のように怒りの声が多く上がっている今回の件。

日本テレビ系列の日本海テレビは鳥取市に本社を置き、鳥取県と島根県の2県を放送対象地域としているテレビ局なのだが、そんな同局のサイト内にある24時間テレビの特設ページによれば、2014年から2023年の10年間、計10回の放送において、山陰2県から集まった募金額は合計6,500万円程度にのぼるということ。

今回、幹部社員が寄付金からの抜いていたのが計264万6,020円だったということで、同局が集めた全募金額の実に4%程度という、結構な割合のネコババだったようだ。

いっぽう別の報道によれば、この幹部社員は犯行の動機について「最初の不正の14年当時、親族のために金を用立てる必要があった」と話していたようだが、その反面で別の社員の証言によれば「よく飲み歩き、スロットも好きだった」ということで、こうした遊興費にも着服した募金が充てられていた疑いも。

さらにこの幹部社員だが、募金終了後、金融機関に運ぶまで本社内で保管していた紙幣や貨幣を、周囲の目を盗んで持ち出し、自分の銀行口座に入金していたということで、当然この幹部社員が一番悪いというのはさることながら、頂いた募金のいたってずさんな管理体制、しかも着服されていたことを10年間も見抜けなかったことも含め、会社側の責任を問う声も少なからずあがっているといった状況だ。

曲がり角を迎える「24時間テレビ」

このように、今回の件はあくまでも地方局に在籍していた不心得者によるやらかしだったわけだが、SNS上では「寄付するのがバカバカしい」といった声にくわえ、「この番組自体が正念場」「もう終わりにしてくれ」などと、「24時間テレビ」という番組自体の今後の存続がもはや難しい、あるいはもう終わりにすべきだといった意見が噴出しているところ。

実際、1978年に始まった「24時間テレビ」なのだが、その募金額は全国で20億円弱を集めた2011年をピークに、その後はそれほど集まらなくなっているようで、今年は現状で8億円ちょっとに留まる結果に。募金活動は金額の多寡ではないというのはもっともだが、それだけ番組への興味・関心が薄れているが故……ということは言えそうなのだ。

いっぽう「24時間テレビ」といえば、総合司会とはまた別の「メインパーソナリティー」という枠で、旧ジャニーズ事務所のタレントやユニットが起用されるのが、ここ十数年の恒例に。

若い世代の特に女性からの、番組に対する注目・関心度や視聴率の確保に一役買う存在として、重用されていたジャニーズ系アイドルたちだったわけだが、今年の放送があった直後の9月以降、ジャニー喜多川氏の性加害を巡る問題が大きくクローズアップされ、所属タレントらの番組やCM出演の“降板ドミノ”が発生する事態に。来年からは、旧ジャニーズ系のタレントを同枠で起用できるか否かは不透明といった状況だ。

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さらに「24時間テレビ」の“アンセム”といっても過言ではない『サライ』に関しても、1992年放送時から歌い続けられていたものの、2022年の放送において加山雄三さんが、コンサート活動からの引退に伴う“歌い納め”をしたのに続き、今年10月には谷村新司さんが死去。2人の歌声によるサライ歌唱は、もう叶わぬものとなってしまったのだ。

以前より「24時間テレビ」に対しては、チャリティと銘打ちながら出演タレントにギャラが発生しているのはいかがなものかという問題から、果ては毎年放送終了ギリギリにゴールするチャリティマラソンへの疑惑など、とかく訝しむ視線に晒され続けてきたわけだが、このように募金額の減少や旧ジャニーズ系のタレントの重用からの反動、さらにはサライの件など、ここに来て明らかに番組が“曲がり角”に差し掛かっていることを感じさせる事象が続出することに。

今回の局員による募金の着服という不祥事は、そういった状況にまさに追い打ちをかける格好となったわけで、福祉や社会支援のためのメッセージを伝えるといった趣旨自体は意義深いものではあるとはいえ、同番組の今後の存続は如何に……といったところまで、SNS上などで取沙汰されてしまう事態となっているようだ。

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