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住友化学だけじゃない、ホンダに東芝でもリストラが続く。ニッポンの大企業が直面している人員削減の波

住友化学が国内外で約4,000人を削減すると発表したことが注目を集めていましたが、他にも大手企業でのリストラが相次いでいます。ホンダや東芝でも人員削減計画が発表され、その背景には中国市場での販売不振や売上高の伸び悩みなどが影響していますが、日本が世界に誇る大企業のリストラに驚きの声が隠せません。

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ホンダが中国現地でのリストラを発表。EV専用工場計画も

ホンダは中国市場での販売不振に対応するため、現地の合弁会社の工場で希望退職を募集し、人員削減を行うことを発表しました。昨年度の中国での販売台数は122万台余りと、ピーク時の2020年度から約3割ほど減少。そのため工場の稼働率低下に影響し、対応策として合弁会社の1社で正社員を対象に希望退職を募り、全体の14%にあたる約1,700人が応募しました。

一方で、ホンダは中国でのEV専用工場を年内に稼働させる計画を進めており、中国事業の見直しを図っています。EV市場の拡大に合わせた戦略的な動きと見られますが、これが長期的な成長にどのように影響するか注目です。

上場廃止の東芝、最大4,000人の早期退職者を募集

大手企業でのリストラの波はまだ続きます。東芝は2024年5月16日に新たな中期経営計画を発表し、最大で4,000人の早期退職を募集することを発表しました。2015年以降の事業売却で実質的に働き手が増加したため、削減することで財務状況を改善する狙いがある様子。

東芝の2024年3月期連結決算では、営業利益が前期比64%減の399億円という結果に。同社は巨額負債を返済するためにキャッシュを増やす必要があり、人員削減とその他のコスト削減における補填で、不足する分を増収増益で補う計画とのこと。

26年3月期までに売上高を24年3月期比14%増の3兆7,500億円、営業利益を9.5倍の3,800億円にする目標を掲げていますが、簡単に達成できる目標ではありません。近年、コスト削減や構造改革を進めてきましたが、売上高の伸び悩み、さらには経営の混乱が影響し、24年3月期には最終赤字に転落。今後の成長戦略がどのように展開されるかが注目されます。

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日本の自動車メーカーが見直す「中国」での市場戦略

日本の自動車メーカー各社は、中国市場での戦略の見直しを進めています。三菱自動車工業は昨年、中国市場からの撤退を決定。さらには日産自動車も生産能力の最適化を進めています。中国市場での競争激化など、様々なリスクを考慮した上で、各社がそれぞれの戦略を見直すターンへと入っているといえるでしょう。

また、ホンダのように、EV市場へのシフトを進めることで新たな成長機会を模索する企業もありますが、これが成功するかどうかは市場の動向、そして企業の適応力が重要課題に挙げられます。中国市場は依然として大きな魅力を持ちながらも、リスクも同時に存在しているため、企業の戦略変更は慎重に進める必要があるのではないでしょうか。

今回のホンダと東芝のリストラは、それぞれの業界における変化に対応するための措置のひとつです。ホンダは中国市場での販売不振とEV市場へのシフトを進め、東芝は財務状況の改善を目指して大規模な人員削減を行っています。

これらの動きは短期的なコスト削減には寄与するものの、長期的な成長戦略として成功するかどうかは不透明です。今後日本を代表する大手企業がどのように市場の変化に適応し、成長を実現していくか、不安の声も集まっています。

Next: 大企業に安心している場合じゃない。社員たちはどうなるのか?

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