このようにみてくると、ヘッジファンド業界においても、投資家の目的によって、二極化が進んでいると思われます。
それは、企業年金のように、価格変動を抑えた運用を目的としているケースでは、値動きの大きい株式や債券の代替手段(オルタナティブ)として、利益を大きく狙うというよりは、着実性のあるローリスクのヘッジファンドが用いられているということが挙げられます。
一方、株式並みのリスクを取りながらも、リターンを目指してきたアグレッシブなヘッジファンドについては、パフォーマンスが株式に比べ低下しており、その投資妙味が薄れてきたことから、残高を減らす結果となっていると言えます。
とはいえ、ヘッジファンドの運用手法、戦略には様々なものがあります。各運用会社は、今後も最新のデリバティブ技術を駆使して、新たな商品開発に取り組むと思われます。
従って、今後ヘッジファンド自体が衰退していくとは、個人的には考えていません。総論として、「オルタナティブ投資」は、運用において、やはり必要だからです。ただし、各論として、個別ファンドの中身について、しっかりと分析・検証していく必要があるということです。
引き続き、ヘッジファンド業界の動向についてはウォッチし、適宜、取り上げていきたいと思います。
『海外ファンドで資産を作ろう!』(2016年9月16日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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