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「苦学生」ジョージ・ソロスは、いかにして投機の天才になったのか?=山田健彦

「常に市場は間違っている、私も含めて」

1978年から79年にかけて、ソロスはリゾート・インターナショナルという会社に大規模な空売りを仕掛けました。しかし、ソロスの予想は外れ、同社株は大暴騰

ソロスに便乗した他の投資家は致命傷を被り、二度とマーケットに戻れなくなった人が多かったのに対し、ソロスは市場が自分の予想と反対の動きをしている、と認識するや、直ちに全ての売りポジションを解消し、逆に大規模に買いに出ました

結果、当初の予想を外したにも関わらず、ソロスは利益を上げることができました。

まさに直感的、芸術的な投資手法です。

現在の市場を「ソロス的な視点」で考えると?

例により、現在の市場において、ソロスならどのようなところに目を付けて投資の機会を狙うか、を考えてみます。

ソロスが得意とするグローバル・マクロ戦略は、個々の株を取引する、というよりはその国の市場を代表する指数や為替を扱う類のものです。

ここでは為替に注目してみましょう。実効為替レート指数という統計があります。BIS(国際決裁銀行)という国際機関が算出しています。

我々がよく耳にする「1ドル=110円」というのは、名目為替レートといいますが、この実効為替レート指数は、例えば日本と交易を行っている諸外国の対円での為替レートを貿易額などの比重により調整し、さらに相手国との物価上昇率の差異を加味して算出する指数です。2010年の年間平均を100として計算しています。

現在の日本円の実効為替レート指数はおよそ80前後ですが、過去のこの値を付けたのは1983年位です。その時の名目の円・ドルレートは約230円です。

つまり、今の1ドル=110円前後の名目為替レートは、実効為替レート指数というフィルターを通してみると、1ドル=約230円位の位置にいる、ということです。大幅な円安なのです。

おりしもアメリカのトランプ大統領は事あるごとに「ドルは高すぎる」と公言しています。ドルの実効為替レート指数は直近では124です。

日本の他にも実効為替レート指数値が小さくなった、つまり実質的に通貨安になった主な国は、

カナダ:81
フランス:94
ドイツ:94
ギリシャ: 90
メキシコ:82

それに対して、アメリカよりも指数値が高くなった国(国といって良いのかは分かりませんが)は香港のみです。中国は統計から外れているので不明です。

いずれにしても、米ドルは高くなり、日本、カナダ、フランス、ドイツなどG7からイギリスとイタリアを除いた主要先進国の通貨は安くなっているので、トランプ大統領の「ドルは高すぎる」という発言も根拠がないものでもないようです。

この不均衡が耐えきれなくなるほど大きくなると、ドル安・他通貨高の方向にマーケットは一斉に動き出します。ソロスはその兆候を待っているのかもしれません

その兆候がどのように現れるのかは筆者も分かりませんが、頭の片隅に入れておきたいですね。
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資産1億円への道』(2017年6月7日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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資産が1億円あるとゆとりある生活が可能と言われていますが、その1億円を目指す方法を株式投資を中心に考えていきます。株式投資以外の不動産投資や発行者が参加したセミナー等で有益な情報と思われるものを随時レポートしていきます。

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