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遠すぎた日経2万円&1ドル120円。「暴落注意デー」の2/13に備えよ=長谷川雅一

トランプは本当に政策を実行に移せるか?

為替(米ドル/円)については楽観論もあります。

「トランプ大統領は『減税』と『公共投資』を行うと言っている。これにより、どうしても金利が上昇する。結果として、じりじりと円安が進み120円を超える。皮肉にもトランプの政策により、トランプ自身が望む円高にはならないだろう」という見方です。

これについては、「彼の政策が実行されれば」という仮定が付いています。トランプ政権は、表向きには大統領令の連発で「ハデ」なスタートを切っていますが、閣僚人事が進んでいないなど、政権運営は、かならずしもうまく行っていません

「減税」の規模や内容も、「公共投資」の規模や内容も、いまだ「わからない」のが現実です。

昨年末の「トランプ相場」は、単なる「期待」で買われたに過ぎませんが、今も「期待しかない」という状況に変わりはないのです。

トランプが政策(公約)を実行に移せるか?勝負は「これから」という状況です。

本当に国境に壁を作るのか?

トランプの政策について言えば、たとえば、メキシコとの国境に建設されるという「壁」についても、まるで幼児のような発想であり、一国が巨費を投じてやるべき政策であるとは思えません。

壁の建設が本当に「国家プロジェクト」として実行されるのか?僕は疑問視しています。

毎日新聞のサイトによれば、メキシコとアメリカの国境には、メキシコからアメリカに通じるトンネルがあるそうです。

そのトンネルは、不法移民をサポートする「業者」によって掘られたもので、その業者に通行料を払えば、簡単にアメリカに入国できてしまうとのこと。

トンネルの通行料は、トランプ政権になって150ドルから500ドルに「値上げ」されたそうです。不法移民サポート業者は、「国境の壁ができてもトンネルを掘るだけさ」と笑っているとか。

このように、効果のない「壁」に、これから何兆円もかけるのでしょうか?

トランプ氏の政策は、すべてがこの調子で、本当に彼の政策に意義があるのか、本当に実行に移されるのか、疑問です。

また、実行に移されれば、こんどはアメリカの財政赤字が問題になります。アメリカの財政赤字はリスクオフ要因ですから、結局、相場は「円高・株安」に動きやすくなります。

7,000億円使った指値オペの円安効果はわずか60銭

2月3日、長期金利が上昇したことを受け、日銀が指値で無制限に国債を買う「指値オペ」を実施しました。これに投じられた費用は約7,000億円だったと、テレビ東京(WBS)が報じていました。

指値オペ前に、112.60円だった米ドル/円は、指値オペによって113.20円付近まで、60銭ほど上昇しました。しかし週末の米ドル/円の終値は112.60円付近に戻ってしまいました。

いったい、この指値オペに何の意味があったのでしょうか?日銀が、なんとかして円安に持って行こうとがんばっても、マーケットに「円高」の流れができてしまえば、もう、どうしようもないのです(日銀は、金利の操作であり為替の操作ではないと言うでしょうが、金利もまた戻るでしょう)。

7,000億円を投じても、一時的に60銭、円安方向に動かすのが「やっと」という現実。円高の流れを止めるのは容易ではありません。

Next: 1ドル=120円を超える円安も日経平均の2万円も「ない」

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