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本当はボロボロの米国経済。景気悪化の「兆候」を示す3つのデータ

金融当局が注目する景気指標

<(ア)銀行間同士の貸し借り高>

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景気が良いかどうかの判断ですが、金融当局が注目している指標の中には、銀行間同士の貸し借り高があります。

相互に信用しあっていれば、貸し借りを頻繁に行い、融通しあうのです。これが疑心暗鬼になると、貸倒れになるのが怖くて怖くて仕方がない!となります。既に自行の帳簿には不良資産が腐敗を続けており、もうこれ以上は背負いきれないのです。

2008年9月時点では地区連銀のデータでは、銀行間貸し出し残高が491.602T$だったのですが、直近の2018年1月3日にはストーンと墜落して13.237T$と97%強減ってしまっています。

つまり自行以外は誰も信用できない、銀行が銀行を信じられない状態になっているのです。

<(イ)米国のM2マネー(簡単に言えば、現金+各種預金)の流れの速度>

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金融経済(心臓)が弱体化しているため、マネー(血液)の流れが非常に悪くなっているのです。ピークで2.2%だったのが、どんどん落ちて、今は、第二次大戦後で最低の状態です。

<(ウ)銀行の破たんリスク指数(CDS)>

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さて、最近の世界の株価大幅下落を踏まえて、銀行の破たんリスク指数(CDS)を見ましょう。私の集計データです。

Banco Santanderが1.5倍に上昇、ドイツ銀行も1.47倍です。

これですぐに危ないと判断するのは早計です。見ていただきたいのは、2月の第2週の株価暴落が、銀行のバランスシートにどう影響しているのかです。

今後、銀行間の貸し出しは、さらに減る可能性があります。そうなると、残る道具は「さらなるマイナス金利」でしょうか?

世界中が低金利で血液サラサラ、量的緩和のマネーのだぶつきで血液余剰状態なのに、このテイタラク。これってなぁに?と考えれば、恐ろしくないのが不思議です。

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image by:alredosaz / Shutterstock.com

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いつも感謝している高年の独り言(有料版)』(2018年2月19日号)より一部抜粋、再構成
※太字はMONEY VOICE編集部による
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