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必然だった2月の調整。巨匠ピーター・リンチなら今の株価をどう見るか?=東条雅彦

株価は適当に動いているわけではない

株価は適当に動いているわけではありません。1分とか1時間とか株価を計測する期間を短くすればする程、ランダム性が高まります。しかし、長期では企業の売上高や純利益(=企業価値)を元にした値付けが行われています。

イメージとしては次のような感じになっています。

<企業価値と株価の関係>

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企業価値よりも株価が下がっていれば、投資する上では安全性が高まります。「バリュー投資の父」と呼ばれているベンジャミン・グレアムは、本来の価値よりも株価が低い状態を指して「安全域」と命名しました。

株価の暴落は大きな安全域を生み出すもので、バリュー投資家にとっては「株価の暴落はチャンス」です。

株価の根拠は企業利益である

株価の割安性を知るために、最もよく使われる指標はPERです。PERとは株価が純利益の何倍で推移しているかを示した指標となります。

<例>

A社:株価150ドル÷1株あたり純利益10ドル=PER15倍
B社:株価200ドル÷1株あたり純利益10ドル=PER20倍

上記のA社とB社を単純に比較した場合、A社の株価の方が割安です。当然、投資家は「割高ではなく割安になっている株式」を保有している方が安全性で、大きなリターンを見込めます。そして、このPERという指標は「株価の根拠は企業利益である」ということを暗に示しています。

ピーター・リンチ・チャートとは?

米国のピーター・リンチというファンドマネージャーを知っていますでしょうか? 既に引退しているので、知らない人も多いかもしれません。米国ではウォーレン・バフェットに並ぶ有名人です。

ピーター・リンチはかの「マゼラン・ファンド」を世界最大規模の資産に育てあげた功労者として知られています。運用実績で数々の伝説をつくったことから、「世界No.1のファンドマネジャー」と称されています。

1977年から1990年の14年間で、2000万ドルだったマゼラン・ファンドを140億ドルにまで増やしました。その間の年平均リターンは29%です。

そのピーター・リンチが開発した株価チャートに「ピーター・リンチ・チャート」というものがあります。

ピーター・リンチ・チャートとは「株価は常にPER15倍で推移する」と仮定して、描いたチャートのことです。このピーター・リンチ・チャートと現実の株価チャートを比べることで、ファンダメンタルズと株価の乖離が視覚的にわかるようになります。

ちなみに、PER15倍という値は株式益回りに計算しなおすと、6.6%(1÷15=0.06666…)になります。株式に投下した資本が毎年6.6%程度の純利益を生み出す状況を、1つの基準として捉えようという話です。

Next: 1880年から現在までの振り返りでわかる「株価の規則性」

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