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必然だった2月の調整。巨匠ピーター・リンチなら今の株価をどう見るか?=東条雅彦

リーマンショック後のS&P500のPERの推移

2008年10月にリーマンショックがあって株価が大暴落しました。約半年後の2009年3月に底打ちして、そこから「米国株の快進撃」が始まりました。

2007年から現在までのS&P500のPERは、次のように推移してきました。

<S&P500のPER 2007年~2018年>

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ピーター・リンチ・チャートではPER15倍を基準にするので、参考までにオレンジの線を引きました。2009年はリーマンショックの影響で企業利益が激減したため、PERが異常値になっているので除外しました(灰色の網掛け部分)。

リーマンショックが起きる前年の2007年のPERは17倍です。そのPERが明確に上昇し始めたのは2014年からです。2014年、2015年、2016年、2017年、2018年(1月)と時間が経過すればするほど、ピーター・リンチ基準のPER15倍からかけ離れる状況が続いていました。

2018年2月の株価下落は必然だった

S&P500は歴史的にはピーター・リンチ・チャートとほぼ連動して動いています。つまり、株価は企業利益の15倍で推移する傾向にあるのです。

両者は短期的には乖離しますが、概ね5~6年以内に収束します。乖離が永久に続くことは絶対にありません。

このことを踏まえて振り返ってみると、2018年2月のフラッシュバック的な株価の下落は「いつかは起こり得る調整だった」と思います。繰り返しますが、もちろん、この調整がいつどのような形でやってくるかは誰にもわかりません。

ピーター・リンチ・チャートから読み取れるのは「乖離が大きくなっていて、なんとなく危険そうだ」という、ぼんやりした話でしかないのです。

Next: まとめ:現状は強気相場の天井、もしくは終了局面である

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