ハーバード大学とバフェットがアップルを重視する理由
ハーバード大学もバフェットもアップルに最も重点的に投資しています。前述した通り、アップルのポートフォリオ比率は、ハーバード大学が34.8%で、バフェットが21.27%に到達しています。
なぜここまでアップルを重要視しているのか?
最も大きな理由は他社では簡単に崩せないワイドモートを形成しているためでしょう。ジョブズ氏がいなくなってからのアップルは、iPhoneというキラー商品にぶら下がっているだけだと批判する人もいるかもしれません。
しかしながら、アップルは他のハイテク企業にはない圧倒的な強みがあると私は考えています。
アップルの強み「ハード・ソフトの二刀流企業である」
アップルはハードウェアとソフトウェアの両方を自社で開発しています。マイクロソフトやグーグルはソフトウェアに強みを持っていますが、ハードウェアについては開発の歴史が浅い。
ジョブズ氏は次のように述べていました。
「わが社の創始者のひとり、アラン・ケイは30年前に『ソフトウェアに真剣ならば、独自のハードウェアを作るべきだ』と言っていたし、私も同じように感じていた。なぜなら、ソフトウェアを愛しているからだ。
『ソフトウェアに関して真剣な人間ならば独自のハードウェアを作らなければならない。 アラン・ケイ』
だから、革新的なソフトウェアを携帯に初めて導入しているんだ。どんな携帯よりも最低5年は早いものを。
<2007年1月9日 iPhoneのプレゼンテーションpart2(日本語字幕)>
iPhoneは、ハードウェアとソフトウェアの両方を開発できるアップルだからこそ生み出せた商品です。iPhoneが登場する以前のBlackBerry等の旧型スマートフォンは、ハードウェアにキーボード(多くの小さなボタン)をつけていました。
もしアップルがソフトウェアだけを作る企業だった場合、ハードウェアについているキーボードやボタンを勝手に取り除くことはできず、そのハードウェアに合わせたソフトウェアを開発していたことでしょう。
つまり、iPhoneのようにボタンをなくして、タッチパネルの大画面を配置するということは実現できなかったと思われます。
マイクロソフト、グーグル、アマゾン、フェイスブックなどの新興企業は元々、ソフトウェアやサービスには強みを持っているものの、ハードウェアの開発の歴史はどの企業も浅い。
創業当時からハードとソフトの二刀流で製品を生み出し続けてきたアップルには、大きなアドバンテージがあるのです。