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「ふるさと納税」成功しすぎで総務省は許せない? 制度見直しの真意とは

ふるさと納税に救われた泉佐野市の財政

野田総務大臣が名指しで非難している泉佐野市は、関西空港投資がたたって財政破綻一歩手前まで追込まれていました。

このふるさと納税制度を利用して、必死で納税額(寄付金)を増やす努力をして直近に寄付金が急増して、泉佐野市は救われました。

寄付額の半分を使ってでも寄付金を集める作戦に出たのが功を奏しました。タオルは全国でも有数のタオル生産会社を抱えていて、泉佐野市と今治市だけで全国シェアほぼ100%になるくらいです。

寄付額の50%を返礼品に使おうと、自治体の実入りが減るだけで、もともと入ってこなかったお金ですから、そこは自治体の工夫だと考えられないのでしょうか。なぜ国が、返礼品の経費を一律決める必要があるのでしょうか。

税制優遇措置を取らない…?

「ふるさと納税」が高額返礼品競争になっているとして野田総務大臣相は、高額すぎる返礼や地場産品でないものは優遇措置を取り消すと発言しました。

高額の目安として、総務省が昨年出した通達から「返礼品は3割以下」、これに「品目は地元産に」を付け加え、これらを守らない自治体の名前を公表してきてはいましたが、いまだに守らない自治体があることから、野田大臣は「制度は存亡の危機にある」として、法改正をするというのです。

総務省は、来年4月実施に向けても法改正を行うとしていますが、具体的にはどのようものになるのでしょうか。

「法改正に至るなら対応せざるを得ないが、どういう法改正になるかわからないと対応しようがない…」。これが自治体側の反応のようで、困惑しているという感じです。

なぜ返礼品調達額が寄付額の30%なのか、その数字の根拠は何なのか…。返礼品調達額を寄付金額の30%、送料等の経費が20%、自治体利益が50%。これが総務省が自治体に示している数字です。

規制を支持する自治体もあるが…

野田総務大臣の発言を歓迎している自治体もあります。

東京都杉並区では、ふるさと納税精度が始まってから、税収は激減しているそうです。区広報からは「ふるさと納税はやめて」と訴え「住民サービスが提供できなくなる」と訴えているようです。

ここに、総務省が掲げる「ふるさと納税の意義」の「自治体が国民に取組をアピールすることでふるさと納税を呼びかけ、自治体間の競争が進むこと」を当てはめると、見方は変わってきますね。

同じ東京都世田谷区は、税収減少に対策を施していないのか…。杉並区は、住民に訴えかける前にどのような努力をしてきたのか…。

総務省が意義としている「自治体間競争」からみれば、寄付額が増えるところもあれば減るところも当然出てきます

また、ふるさと納税制度が生まれた背景を総務省はホームページで、

今は都会に住んでいても、自分を育んでくれた「ふるさと」に、自分の意思で、いくらかでも納税できる制度があっても良いのではないか」、そんな問題提起から始まり、数多くの議論や検討を経て生まれたのがふるさと納税制度。

出典:総務省|ふるさと納税ポータルサイト|よくわかる!ふるさと納税

と紹介していることから、杉並区の訴えは矛盾してきますよね。

Next: そもそも地産品がない自治体は…? 小池東京都知事も疑問を投げかける

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