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日本の経済状態は悪くない?にもかかわらず、景気減退が不安視されている理由とは=川瀬太志

景気減速は世界的な流れ

要因として一番大きいのは「海外要因」、特に「中国」ですね。中国はただでさえ景気が減速しかけているところに「米中貿易戦争」とも呼ばれるアメリカとの貿易摩擦が景気減速懸念を加速させています。また拡大成長を続けてきたスマホ市場も鈍化し始めました。

そんな中で、車や電機、非鉄などの企業の業績が悪化しました。

この景気減速の流れは世界中で起きています。まずは景気減速の起点とされている中国。

中国企業の業績に急ブレーキがかかっている。上場約3,600社のうち、2018年12月期の最終損益が前の期より悪化すると表明した企業は1,070社にのぼった。

400社超が最終赤字に陥る。消費低迷や米中摩擦のあおりを受けた企業が多く、上場企業全体が減益に転じる可能性も浮上する。業績不振が雇用環境の悪化につながれば中国景気の新たな重荷になりかねない。

出典:日本経済新聞(2019年2月7日付)

中国がこうなりますと、経済的に関係の深い欧州もこうなります。

ユーロ圏の景気減速が鮮明になってきた。欧州連合(EU)の欧州委員会は7日、2019年の実質経済成長率の見通しを前回(18年11月)から0.6ポイント低い1.3%へ大幅に下方修正した。

けん引役のドイツの伸び悩みに加え、財政リスクがくすぶるイタリアの景気後退入りがユーロ圏全体の成長を押し下げている。依然として不透明な英国のEU離脱の行方も先行きに暗い影を落としている。』

出典:日本経済新聞(2019年2月8日付)

すでに景気後退局面にあるイタリア、EU離脱問題を抱える英国に加えて、中国向けの輸出が多いドイツも伸び悩みが明らかになってきたようです。

中国と関係の深い東南アジアの新興国群も当然影響を受けます。

東南ア、景気減速が鮮明。米中貿易戦争の影響で輸出の受注がふるわず、生産の勢いが鈍った。

出典:日本経済新聞(2019年3月1日付)

そしてアメリカです。

好調だった米景気が減速してきた。住宅市場は、これまでの利上げの影響で失速。
減税効果が期待された設備投資は米国発の貿易戦争が逆風となる。個人消費は比較的堅調ながら政府閉鎖で一時的に減速した。
雇用の拡大と株価の回復で米景気は再び加速する可能性があるが、トランプ政権の場当たり的な政策が重荷になりそうだ。

出典:日本経済新聞(2019年3月1日付)

アメリカはすでに景気拡大局面が10年目です。アメリカ経済はかなり順調だったのです。それを崩したのは、…やっぱりトランプ大統領ですかね。

Next: アメリカにも痛みをもたらす、米中貿易摩擦を止められない理由とは?

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