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仮想通貨リブラ、世界の基軸通貨化に現実味。フェイスブックが米ドルを駆逐する=高島康司

金融安定のため、ドルに依存しない基軸通貨を導入すべき

カーニー総裁によると、いまの世界の基軸通貨体制と金融システムは米ドルに依存しすぎているという。そのため、基軸通貨の価値は米経済のそのときの状況で大きく変動し、安定していない。いまはアメリカの低金利政策に各国が同調しなければならず、そのため各国のインフレの昂進から金システムが不安定化する弊害も出て来ているとした。

もっと安定した通貨体制の構築には、米経済の状況に左右されるドルではなく、仮想通貨や電子決済のようなテクノロジーによってもたらされる人工的な基軸通貨のほうがよいとして、国際決済の基軸通貨に仮想通貨の導入を後押しする発言をした。これを管理するための事務局は「IMF(国際通貨基金)」に置くのがよいとした。

このカーニー総裁の提案は、2008年の金融危機後に開催された「G20」で、「IMF」が各国間で資金を調達するために導入された「SDR(特別引出し権)」を本格的な基軸通貨として導入することが検討されたが、これと類似したアイデアだ。

「SDR」の価値は、主要通貨の価値の加重平均とリンクされている。2008年の「G20」では、これをドルに代わる基軸通貨として導入することが一時検討された。今回のカーニー総裁は、国際金融のシステムを安定するためには、「SDR」と同様、ドルに依存しない基軸通貨を導入したほうがよいとの考えだ。

そしてそれは、仮想通貨のような電子決済のテクノロジーを基礎にすべきだという。

リブラは国際決済通貨になる?

「フェイスブック」が導入予定の「リブラ」も、「SDR」のモデルに基づいている。ということでは、カーニー総裁の主張するアイデアにもっとも近い位置にあるのが「リブラ」であることははっきりしている。

カーニー総裁の発言で「リブラ」はドルに代わる国際決済通貨として採用される可能性が俄然高くなったと見られているのだ。

いま市場では、不安感と危機感が臨界点に向かって押し上げられている。いわばこれは、不安感というガスが市場に充満しつつあり、ちょっとした火花が大爆発を誘発しかねない状況だ。普段であればなんでもないちょっとした出来事に、不安感と危機感でいっぱいの市場が過剰反応し、それが引き起こす行動が思っても見ない危機を引き起こす可能性すら出て来た。

いま、なんでも危機の引き金になる状況に入った。要注意だ。今年はなんとか大丈夫にしても、2020年か2021年には危機の引き金は引かれるかもしれない。

すでに世界の主要なエコノミストの71%が、遅くとも2021年には深刻な景気後退期に入ると予測している。これを回避するためには、金融システムの安定化が強く望まれている。

安定化のためのオプションのひとつが、「リブラ」の導入なのだ。

Next: マネロンほか犯罪利用にどう対処?次第に明らかになる「リブラ」の実態

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