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仮想通貨リブラ、世界の基軸通貨化に現実味。フェイスブックが米ドルを駆逐する=高島康司

次第に明らかになる「リブラ」の実態

そのようなときのカーニー総裁の発言だったので、「リブラ」への注目が特に高まったのだ。しかし今度は、銀行を迂回する中央銀行の管理下にはないピア2ピアの仮想通貨としてではなく、ドルに代わる本格的な基軸通貨として注目されているのだ。

そうした状況で、将来の基軸通貨の可能性という視点から、これまではっきりしていなかった「リブラ」の実態が明らかになってきた。

まず「リブラ」が基軸通貨となり、国際決済で使われるようになると、懸念されるべきはマネーロンダリングやテロ組織の資金源のような犯罪目的の使用をいかに防止するかということだ。

銀行を介在させず、中央銀行の管理下にない「リブラ」には、管理主体がない。そのような送金・決済手段では犯罪を防止することはできないではないのかという懸念だ。

これに対し、「フェイスブック」は子会社のウォレット事業者「キャリブラ(Calibra)」を通じ、ユーザー本人を政府発行のID(本人確認書類、運転免許証やマイナンバーカードなど)で確認する「KYC(Know Your Customer)」を実施する考えを明らかにした。これで、テロ支援者や反社会的勢力などの排除、疑わしい取引の検知が可能になる。

さらに、ID確認として「フェイスブック」のアカウントも使われるというのだ。すでにアメリカは、今年の6月から入国審査を強化する目的で、ビザ申請者に「フェイスブック」などSNSのアカウント名を申告するよう義務づけた。

「リブラ」に関しても、これと同様の申告を要求するということだ。数年前から「フェイスブック」や「ツイッター」のようなSNSにアカウントを持ち、複数の人物と危険性のない交流を行っている人物は安全性が高いと見なされ、「リブラ」の使用が許可されるということだ。

さらに「フェイスブック」は、管理主体の欠如を懸念している各国の金融当局に対しては、ブロックチェーンにおける「リブラ」のトランスアクションのプロセスをすべて公開し、怪しいトランスアクションを当局が監視できる体制の構築を目指している可能性が高いと見られている。

「リブラ的」仮想通貨が次々と出てくる?

もちろん、価値が安定した送金・決済手段を目指しているのは「リブラ」だけではない。

中国政府はブロックチェーンをベースにしたデジタル人民元を開発している。

また、8月19日、仮想通貨取引所の最大手のひとつ、「バイナンス(Binance)」も、「リブラ」と同様に価値が安定した仮想通貨の開発を開始すると発表した。プロジェクト名は「ヴィーナス(Venus)」である。いま「バイナンス」は、「ヴィーナス」の運営に参加する政府や企業、IT企業や仮想通貨関連企業を募集している。

Next: どの通貨もフェイスブック25億アカウントの後ろ盾をもつリブラには勝てない

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