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上昇し過ぎたアメリカ株はもう上昇しない?利下げで企業は再び積極経営に転じるか=藤井まり子

レイ・ダリオはかく語りき「アメリカが景気後退する確率は40%」

「ジョージソロスの再来」と呼ばれているレイダリオ(世界最大のヘッジファンド:ブリッジウォーター・アソシエイツを率いています!)。ダリオ氏は、「来年の大統領選挙までに、アメリカ経済がリセッション入りする可能性は、40%、アメリカ経済の拡大期が向こう1~3年継続する確率は、60%」とみています。

言い換えると、レイダリオは、「FRBの複数回の利下げ」が成功する確率は60%、失敗する確率は40%と見ているわけです。

たとえば、今現在の香港の抗議デモに、万が一人民軍(武装警官)が介入したりすれば、米中貿易戦争どころじゃなくなって、アメリカをはじめとする西側諸国は中国へ経済政策を発動することになり、今度こそ「新冷戦」が華々しく開幕してしまうわけです。

こうなれば、株式市場は暴落して、世界経済はリセッション入りしてしまうことでしょう。アメリカ経済も然り。

不確実性は、香港だけではありません。

不確実性は、「香港抗議デモ」以外にも、「中国経済の軟調(通貨危機にまで発展するか?)」のリスク、「エスカレートするかもしれない貿易戦争」リスク、「アメリカの逆イールドカーブ」問題、「台湾をめぐる米中間の緊張の高まり」リスク、「韓国(中国に先んじて通貨危機まで発展しそう)」リスク、「合意なきブレグジット」リスク、「日本の消費税増税」リスク、トランプの「大統領選で再燃ならず」リスク、などなど今の世界経済にはリスク要因があまりに多すぎるのです。

こんな時に、消費税増税を実施する安倍政権も頭がおかしいとしか言いよう無ないんですが…。

ですから、あのレイ・ダリオでさえも、こういった「40%:60%」の「微妙な予測」をしているんですね

それだけ今の世界経済は不確実性が高く、不透明感が強くなっているんです(そして最大の不確実性は、トランプ大統領そのものなのかもしれないです)。

といっても極度に悲観するなかれ、あのレイ・ダリオも、60%の確率でアメリカ経済はまだまだ向こう1年から3年は拡大し続けると、予測しています。

どんなリスクエクスポージャーとアセットアロケーションが有効か?

ダリオによれば、こういった時こそは投資においては、必ず身の丈に合った「リスクエクスポージャー」(≒ポジション)で、分散、分散なのだそうです。

しかも、今まで運用成績が良かったものがこれからも良いとは限らないのだそうです。分散、分散、分散なのです。

そして、アセットアロケーションの中に、ゴールドをいくばくか(7.5%くらいか?)含めることをダリオは推奨しています。

さらに、景気後退や大幅調整が近いかもしれないからと言って、ポジションをゼロにはしてはいけないのだそうです。

そして、どういうわけか、レイ・ダリオは数年前から「中国の将来」を極めて高く評価しています。

ダリオ曰く「20世紀の新興勢力はアメリカだった。20世紀の初めにアメリカ株を長期保有しておこうと思う人は少なかった。けれどもその後アメリカ株は上昇した。21世紀の初めに、中国株を長期保有しておこうと思う人は少ない。けれども、100年後には…」と、「中国株の長期上昇トレンド」を示唆しています。

なにはともあれ、身の丈にあったポジションで、分散分散ですね!

重ね重ねお伝えしますが、アメリカ株が横ばいか若干上昇する確率はまだまだ60%くらいはあります。

Next: 1930年代後半とよく似ている、現在のアメリカ経済

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