ソフトバンクは「投資会社」
このタイミングで、ソフトバンクは子会社であるソフトバンクモバイルを上場させました。市場関係者が嫌う「親子上場」を大手を振ってやってきました。
孫正義氏は携帯事業に飽きたのではないか……ソフトバンクモバイル上場を聞いた時の第一印象です。携帯事業を、孫氏の手から切り離したと思われます。
ソフトバンクを事業会社と思っていたら大間違いで、昔から投資会社です。
いまはサウジアラビア資本と手を組んで「ビジョンファンド」を展開していますが、もともとスタートアップ企業や成長企業をいち早く見つけて投資し、成長し軌道に乗ったところで売りぬいて、次のスタートアップ企業に投資をするというのが、孫正義氏のファイナンス手法です。
孫正義氏は、携帯業界で、3社でシェアが3分の1ずつになったので、これ以上の投資にうまみを感じていないとして、場合によってはソフトバンクモバイルの株を売って新しいスタートアップに投資するということを考えているのでしょう。
そんな業界地図の中に、4社目として楽天が参入してきたのです。
2016年3月時点の総務省調べによる各社契約数の割合は以下の通りです。
・NTTTドコモ:37.9%
・KDDI:27.4%
・ソフトバンク:23.1%
・MVNO:11.6%
合計:1.8億件
楽天・三木谷社長の「携帯業界のアポロ計画」とは?
新規参入事業者としての技術優位を生かし、高速・大容量、低遅延のサービスを圧倒的な安さで提供して大手3社の寡占市場に風穴を開ける。
他社は真似できない料金体系……三木谷社長は「携帯業界のアポロ計画」と称し、「ネットワークに革命を起こす」と豪語していました。
すでに3社寡占状態になっている市場に新規参入するには、圧倒的な価格の安さで勝負しないと太刀打ちできないでしょう。
料金プランについては最低利用期間や違約金などの縛りがないプランになるようです。いまある「2年縛り」は採用しません。
クラウドを使った「仮想化」と呼ぶ新技術を世界で初めて通信ネットワークに全面採用します。低コスト運営を目指し、約6,000億円を投じてクラウド上にネットワークを構築する独自開発の通信網を整備します。
自社網でのサービスは当初、一部に限定。ほか地域ではKDDIからローミング接続を受けます。