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楽天、携帯参入で価格競争は起きるか?3社独占の馴れ合い業界と三木谷社長の誤算=原彰宏

本格開始が半年ずれる間は無料提供

楽天の携帯電話事業のサービスの本格開始が10月から2020年春にずれ込む見通しとなり、10月開始予定の携帯電話事業について、当初は試験サービスとして、利用者を5,000人に絞って無料提供することを正式表明しました。

通信基地局の整備の遅れなどが要因とみられています。ネットワークの安定稼働を2020年3月末までに確認できた後、本格的に商用化する予定です。

楽天の誤算はまさに基地局整備が思うように進まなかったことです。

総務省には来年3月末までに3,432局を整備する計画を提出して電波の割り当てを受けましたが、用地交渉の難航や天候不順による工事のずれ込みなどの影響で、8月中旬時点での進捗はその約5分の1となっています。

8月末には総務省から遅れを理由に3回目の行政指導を受けていました。

当初の予定通り、東京23区、名古屋市などで10月からサービスを開始、楽天が自社でネットワークを展開する東京23区、名古屋市、大阪市、神戸市に在住する、18歳以上の希望者を集い、20年3月末まで音声通話やデータ通信をすべて無料で提供、募集は10月1日から7日まで、11日から順次、案内メールを送るということです。

競合他社も「楽天モバイルの参入を警戒した戦略をとっている」としています。

楽天は通販や金融、旅行業などさまざまなインターネットサービスの土台となる通信網を自前で手がければ、利用者にこれまで以上にグループ内の複数サービスの利用を促せると踏んでの、携帯事業参入なのでしょう。

いわゆる「楽天経済圏」の構築です。それゆえ、自前のネットワークでの事業展開を求めていたのだと思います。

Next: 楽天に追い風?ソフトバンク「違約金ゼロ宣言」で顧客争奪戦は起こるのか

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