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ZOZO前澤氏、売却で命拾い。創業経営者が持ち株9割を担保に多額借金は許されるのか=今市太郎

上場企業経営者の資質はあったのか

実際に借り入れ資金で購入した絵画などは、恐らくそれなりの損をしながら処分して返済に充て、足元の1,600億円まで借金額を縮減させていたようです。

しかし、本来やらなくてもいいことに時間をかけ、しかも会社の経営に非常に大きな影響を与える行為をしでかしているわけですから、呆れるほかはありません。

当然、こうした貸付には金融機関から一定の株価水準に対し売り条項が設定されているわけで、担保価値を失いかけた途端に前澤氏は保有株を売却しなくてはならない厳しい局面に追いやられていた可能性もあったということになります。

いま米国では社債市場が非常にリスキーな状況になりつつありますが、前澤氏の一連のこの持ち株担保の借金術は世界的に見てもかなり稀有なもので、とてもではありませんが一流企業の経営者のやることとは思えません。

Yahooに救われたZOZOと前澤氏

言ってみればYahooは、ZOZOと前澤氏の神様のような存在で、かろうじて大惨事にならずに企業売却で済んだというのが実情なのでしょう。

非上場の株式ならいざしらず、IPO後のオーナー企業経営者の株式の扱いというのは非常に繊細なものがあり、ステークホルダーに多大な影響を与えるものであるはずです。

しかし、これを平気でそのほとんどを借金のかたにして金を引き出していたという話は、企業経営者の倫理としてかなり問題であり、こんな会社への投資など絶対してはならないものであったことを改めて強く感じる次第です。

ツイッターで100万円を配る話が出たころから「このおっさん本当に大丈夫か?」と思ったものですが、実際はぜんぜん大丈夫ではなく、Yahooと孫さんに助けられてやっとリスクを免れ、第一線から無事退くことができたというわけです。

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