今度の税制改革で、企業がスタートアップに1億円以上を出資すると、税負担が軽くなるという法律が作られようとしています。これについての考えをまとめます。(『決算が読めるようになるノート』シバタナオキ)
※本記事は有料メルマガ『決算が読めるようになるノート』2019年12月24日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
「スタートアップ投資減税」が素晴らしいと思った件
大企業が貯め込んだ現金をスタートアップに出資
今回の話はあくまで個人的な意見で、私自身は特に利害関係はありません。ただ、税制に関わる話なので、当然、今回私が賞賛する政策が好きな人もいれば嫌いな人がもいるかと思います。
は敢えてポジティブな面だけを取り上げますが、真逆の意見の方もいるかと思いますので、その辺りは割引いて読んで頂ければと思います。
政府・与党は大企業が設立10年未満の非上場企業に1億円以上を出資したら、出資額の25%相当を所得金額から差し引いて税負担を軽くする優遇措置を設ける。自社にない革新的な技術やビジネスモデルを持つスタートアップと協業し、新たな利益の源泉となるイノベーションを起こしやすくする。大企業が自社にため込んだお金を活用するよう促す狙いもある。
出典:スタートアップ出資、1億円以上で減税 大企業の投資促す‐日本経済新聞(2019年12月7日公開)
こちらにあるように、今度の税制改革で、企業がスタートアップに1億円以上を出資すると、出資額の25%相当を所得金額から差し引いて、税負担が軽くなるという法律がまもなく作られようとしています。
政府の狙いとしては、大企業が内部留保を厚くしていくだけではなく、稼いだお金をしっかり将来のビジネスに投資をすることを促す、というのが目的になるわけです。詳しくは後半で述べますが、これまで日本では、研究開発投資に対してとても大きな税制的な優遇がなされてきましたが、今回は自社での研究開発ではなく、外部のスタートアップの投資に対して税制的な優遇がされるという内容になっています。
大雑把に説明をすると、1億円以上の出資をすると25%分「損金計上」できるわけですから、事実上スタートアップの投資が25%オフでできるようになるという内容で、かなり大胆な政策だと個人的には思っています。