税金を投入しても日本企業は立ち上がれない
安倍政権はあらゆるものを売り渡して日本メーカーの対米輸出を確保するという、きわめて不平等なFTAにまんまとサインオフしました。
この判断が決定的な間違いであったことは、もう間もなく明らかになるものと思われます。
さらに言えば、凋落をたどる日本企業の再生のために機能すべき官民ファンドもボロボロです。
ここ20年、いろいろと名称だけは変更になっていますが、古くはダイエーのお取りつぶし、ルネサスの半導体もアウト、ジャパンディスプレーは粉飾の嵐で、もうこれ以上税金を投入しても立ち直れないのは明白です。
出生数激減は国内産業衰退の決定打
直近では、厚生労働省が24日に発表した2019年の人口動態統計の年間推計で、日本人の国内出生数は86万4千人となり、前年比で5.92%も減少するというかなり最悪な事態に追い込まれてきています。
経済統計予測の中でももっとも精度が高いのは、人口動態統計予測と言われてきました。
しかし、90万人を割るのは2020年以降とされていたものが完全に1年前倒しになっており、出生数が死亡数を下回る自然減もとうとう51.2万人のレベルに達しています。
このように、人口減少は想定を上回る速さで進んでいることがわかります。
さらにその一方で、企業の45才以上のリストラは大手を中心に驚くほど進んでおり、単純かつ安価な労働以外には、ホワイトカラーの過剰労働力の収容先すらない厳しい状況に及んでいるのです。
ここからは毎年、島根県1県がまるごと消滅するぐらいの人口減が続くことになるわけですから、本来、リストラにあった中年層といえども貴重な労働力のはずです。
悲観的なことを口走ってもなんら状況は好転しないし解決しないというご指摘をいただくことがありますが、ここで書き連ねたのは悲観的な話ではなく、すべてファクト(事実)である点はしっかり理解しておく必要があります。