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米株、日本株は妥当値なのか?日経225の予想PER15倍に込められた投資家の期待とは=吉田繁治

【日欧の金利がマイナス圏から上昇の気配を示す】

2019年12月には、日本の長期金利は、-0.2%のマイナス圏から、0%に上がっています(10年債の価格は2%下落:100万円→98万円)。

日本の金利が、どこまでも下がる時代は、2019年9月に終わっています(10年債の金利-0.3%)。19年12月からは、0.010%のプラス圏です。

この長期金利の上昇の原因は、国債買い(銀行の国債売り)の困難に陥った日銀による国債の買いが1年50兆円のペースから、2018年は40兆円、19年は20兆円と、白川総裁時代の水準に減ったからです。黒田日銀は、黙ったままで、異次元緩和(年50兆円の国債買い)はやめています。

このため、円の長期金利が0.3%上がり、米国債とのスプレッドは1.4%に縮小しています。欧州でもマイナス金利への誘導は終わりつつあります(-0.6%が、-0.2%に上がっています)。日本とユーロのマイナス金利の時代は終わったのです。海外に米国債を買わせていたイールドスプレッドは、今後、縮小します。
※参考:日本国債10年 年利回り(楽天証券)
※参考:日銀、「異次元」の国債購入終了 黒田緩和前の水準に‐日本経済新聞(2019年9月11日公開)

【中国の貿易黒字は、減少している】

中国は、18年8月以降のトランプ関税から、世界への輸出が減り、貿易黒字(=基軸通貨ドルの流入)は、2015年の5,930億ドルから2018年は3,509億ドル(38兆円:GDPの2.5%)に減っています。

短期負債が64.7%と多い、ドル建ての対外負債(1.9兆ドル:209兆円)の返済のために、中国にとって最低限必要なものであり、この貿易黒字ではドル国債を買い増すことはできません。

2019年は、トランプ関税から中国の貿易黒字は、一層減っています。2020年に、これが増えることはない。欧州、日本、米国への輸出も減っているからです。

人民元とドルの交換の中心である香港の、市民・学生からの民主化要求の持続が加わって、中国は、今、大変な事態です。過去から、中国の富裕者と企業からのマネーロンダリングが多い英国系のHSBC(総資産2.2兆ドル)が、その銀行です。中国は、香港で「人民元売り/ドル買い」をしてきました。
※参考:中国の貿易収支・貿易輸出入額の推移‐世界経済のネタ帳(2019年10月18日公開)

※参考:中国、8月の輸出・輸入とも前年割れ 対米が大幅減‐日本経済新聞(2019年9月8日公開)
※参考:中国が外貨準備の詳細を初めて公表、ドル依存度が低下‐JEORO(2019年8月13日公開)

中国政府は、GDPの実質成長を6%台と、実態より高くしているため、GDPのプラス要素である貿易黒字の数字を減らすことができない。
(注)実際のGDP成長は、3ポイントは低い3%台でしょう。

中国の輸出額にも、粉飾(ドレッシング)があります。本当は、貿易黒字がなくなっているかもしれない。2020年の中国は、ドル国債の買いどころか、外貨準備の売りに回る可能性も高いのです。

以上で挙げた事情から、海外つまり、日本、中国、産油国、欧州からのドル国債買いは、2020年は大きくは見込めません。

◎米国債の買いが増える米銀を、ドル不足に陥らせないためには、FRBのドル国債の買いとドル増発が1兆ドル(110兆円:毎月約10兆円)以上は必要になります。

FRBがドルの供給をしないと、買うための原資(ドルの現金)が減った米国株は下がるからです。米国株が下がれば、同じ率、日本株も下がるでしょう。

Next: FRBは株価を下げないために、1兆ドルの国債買いを迫られる…

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