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米株、日本株は妥当値なのか?日経225の予想PER15倍に込められた投資家の期待とは=吉田繁治

昨年秋の2019年株価への当方の予想

昨年の2019年株価予想では、以下の趣旨を書きました。

(1)2011年から18年までが4兆ドル(440兆円)であり、株価上昇の主因だった米国の自社株買いは、2019年はさすがに減少の方向に転じるだろう。2018年には自社株買いをしても、株価は下がったからである。

減る自社株買いより、2017年に発効したトランプ減税(法人税35%→21%:-40%)という要素で上がってきた株価は、下がるだろう。40%の減税は、企業の利益が同じでも、1株あたり純益(税後利益)を40%上げるからである。米国の会計では、法人税の支払いは、利益金処分ではなく、経費とされている。

(2)しかし、FRBが、過去4年の利上げから、2019年は利下げに転じ、ドルを増発したときは、自社株買いの減少による米国株低下を、カバーする。米国の株価下落が銀行の資本危機になることをFRBは知っているので、FRBは、金融緩和に転じるだろう。
※参考:【図解・国際】米政策金利の推移‐時事ドットコム

2019年の自社株買いは、確かに20%くらい減りました。
※参考:米企業の自社株買い減速、下支え失う市場‐THE WALL STREET JOURNAL.(2019年8月22日公開)

しかし2018年秋の25%の下落が銀行危機になることを恐れたFRBは、
・2019年には利下げをして(3回:0.75%)、
・レポ金利が10%に上がった19年9月18日からは、米銀のドル不足に対応して、3か月で8000億ドル(88兆円)の緊急ドル供給を行っています。

とりわけ19年12月は、4,900億ドル(53兆円)という巨額でした。目的は、ドルが不足していたヘッジファンドに投資銀行経由でマネーを預託して株買いを行わせることです。
※参考:FRB、金利抑制に全力 越年資金53兆円供給‐日本経済新聞(2019年12月15日公開)

【2019年の、FRBによる金融緩和の効果】

FRBの、半年で巨大になった金融緩和(8,000億ドル:88兆円)による株価対策で、米国債の増発(1.4兆ドル:154兆円:17年の2.5倍)と中国の売りから来ていた、米銀のドル不足(半年で推計8,000億ドル)が解消され、銀行がもつ国債を買い上げることにより、増刷された短期マネー(FRBのレポ金融)が、銀行からヘッジファンドに供給されました。

2019年のNYダウの上昇は、25%です(年初2万3,000ドル→年末2万8,645ドル)。株価の時価総額が世界の40%もある米国株に動かされて、欧州、日本、世界の株も約20%上がったのです(2019年)。

【清算売りは3か月から6か月後】

銀行への現金の供給を、投資の預託マネーとして受けたヘッジファンドの、レバレッジがかかる先物買いにより、米国株は逆に上がっています。しかし、3か月から6か月先には(2020年の3月から6月)、先物買いの清算の売りも、同じだけ大きくなります。

20年3月から6月には、仮に、FRBによる追加の金融緩和がない場合、米国株の下落が予想されます。経済のファンダメンタルズ(基礎的な指標(GDPの増加、失業率、金利、輸出入の増加)とは無関係に、「ヘッジファンドの先物買い=限月の数か月後は清算売り」になるからです。

【先物買いの原理】

先物の買い越しのあとには、同額の清算売りが生じます。先物で、1年間上げるには、先物買いを増やしていかねばならないのですが、この場合は、一層大きくなった、清算売りの時期がきます。短期(3~6か月)の株価を動かす先物の売買は、長期(1年)の株価には、中立的です。

Next: 2020年の米国株は、現在の状況からどうなると考えられるのか?

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