インフレが巻き起こったとき、ドルは基軸通貨から転落する
こういったアメリカの低金利、言い換えれば「10年国債の利回り(=長期金利)の低さ」については、レイ・ダリオによれは、「現代は、1935年─45年の低金利時代のどこかの時点に似ている」「向う10年間で、『ドル暴落と長期金利の4~5%への急騰』といった大きな変化がやってくるだろうが、いつそれがやってくるのかは、今の時点では分からない」ということです。
かくして、アメリカ経済は、向こう4~5年(?)のうちにコンスタントにインフレを巻き起こすことに成功して、長期金利を引き上げることに成功するでしょうが、インフレを巻き起こすことに成功した暁には、その時こそアメリカドルが基軸通貨の座から滑り落ちるだろうこと(=スタグフレーションが始まるだろうこと)が、今から予測されています。
「アメリカ経済が本格的な不況に陥るまでには、恐らくまだまだ4~5年(?)上の歳月が残されているだろう」というのが、コンセンサスのようです。
すなわち、トランプ大統領はおそらく今年の大統領選で勝利することでしょう。アメリカ国内の格差は、2024年ごろには今よりももっともっと悲惨なまでに拡大しているかもしれません。もしかするとひょっとすると、2021年から2024年の間に、アメリカ株式ブームはいったんは収束しているかもしれません。
なにはともあれ、歴史は繰り返さなくても、歴史は韻を踏みます。
2024年の大統領選では、トランプよりももっともっと大衆迎合的なポピュリストが(おそらく民主党の大統領)アメリカ大統領にのし上がっていることでしょう。
数年後(?)には、アメリカの長期金利は第二次世界大戦のころのようにゼロ近辺で固定されていることでしょう。アメリカ政府は、第三次世界大戦を回避するために、貧民に向けてばかすかヘリマネをばらまき続けていることでしょう。反対に、ばらまかなかったら、第三次世界大戦が始まっていることでしょう。
数年後(?)あたりに、アメリカではやっと2%をコンスタントに上回るインフレが出現することでしょう。
が、その時はすでに遅く、アメリカ経済はスタグフレーション(不況の中の物価高、ドル安・株安・債券安のトリプル安)に陥っているのではないでしょうか?アメリカドルは10年後あたりに基軸通貨の座を追われていることでしょう。
なにはともあれ、2020年のアメリカ株は、ボラティリティーが高くなるものの、まだまだ向こう4~5年は年率5~7%で上昇し続ける可能性があります。