グリーンスパンを踏襲するFRBの「金融緩和策への大転換」に逆らうなかれ
パウエルFRB議長は、2019年半ばから「サイクル半ばの政策調整」と称して三度の利下げを行い、量的金融緩和策も再開、アメリカ株式市場を挑発し続けています。
特に、12月11日のFOMC後の記者会見は、アメリカのインフレ率がやたらと安定していることを良いことに、「向う1年間の利上げはない」として、「大型バブル生成の号砲」を内外に打ち鳴らしました。
アメリカ経済の景気拡大は今年で11年目に入っています。パウエルFRBは、それが成功するかどうかはともかく、向こう10年間のさらなる景気拡大を目指して「超~超~金融緩和策」を継続させる気でいます。
多くの投資家たちが、「バブル行きのバスに乗り遅れるな!」と、「バブル行きのバス」に飛び乗っています。
2020年の場合は、
・少なくとも「Sell In May」の春までは、あるいは、
・年半ばあたりまでは、あるいは、
・11月の大統領選挙までは、アメリカ株を中心にグローバルマーケットでは「株式が溶け上がる(メルトアップする)」と、予測されます。
ただし、「メルトアップ」の度合いがあまりに激しいようならば、第一四半期(1-3月)においても「メルトダウン(溶け下がる)」は厳然と起こり得ます。
ちなみに、5~10%調整はいつでも普通に起こり得ます。
2020年にアメリカ経済がリセッション入りする確率は、「20%くらい」ととても低いのです。
目下のところ、ジェレミー・シーゲル博士は、「直近のアメリカ株式市場の溶け上がり」を「2018年1月のメルトアップとメルトダウン」とに重ね合わせて、警鐘を鳴らし始めています。ちなみに、2018年1月当時も、前年の秋からアメリカ株式市場は溶け上がり、1月に入ってから6%以上の調整をしています。
シーゲル博士の「アメリカ株式市場への影響力」は絶大。
今回もシーゲル博士は、「アメリカ株式市場の水先案内人」の役目を買って出ている節があります。
シーゲル博士は、「アメリカの長期金利を2%、インフレ率を2%とするならば、『予想PER:20倍』も決して夢ではない』」として、2019年からアメリカ株式市場の上昇を先導してきましたが、その予想PERが2020年に入るや否やあっという間に20倍にまで駆け上がってしまったのです。