負債と資産の両建て手法には必ず終わりがやってくる
過去には借金をして土地を買い、その価格が上昇したことをレバレッジにしてさらに新しい土地と店舗を獲得するという、高度成長期におけるダイエーの負債と資産両建ての経営があったことを思い浮かべます。
また、株の分割で不可解な錬金術を繰り広げた挙句に破綻となったライブドアの問題も頭をよぎるものとなります。
いずれにしても、アップルやアマゾンなどの巨大な米系企業が新型ウイルスの影響下にあっても粛々とその本業となる事業で売上と収益を伸ばしているのとは、まったく別物であるのがSBGの現状です。
足元のような株価が世界的に不安定な状況下では、保有株式資産が一気にその価値を失いかねないだけに、相当リスキーな状況になっているのは明らかです。
過去にも2,000億の資金でレバレッジバイアウトを利用してボーダフォンを手に入れた孫さんのことですから、こうした金融市場におけるさまざまな手法を手練手管で持ち出してくるのはお得意な領域なのでしょう。
それにしても状況はかなり悪くなってきているといえそうで、こうしたスキームをすでに事業の根幹に据えている同社のやり方には相当な違和感を覚える次第です。
ソフトバンクグループは残っても、孫さんは消える?
ここから先SBGの株価が大きく下落していくことになると、結果的にSBGという会社はなんとか存続しても、孫さんがSBGから消えることになるのではないかと危惧するところです。
昨年ZOZOの前澤氏が、株を担保にカネをひっぱり出して、結局会社を失ってEXITするという危機的な脱出に成功しています。はからずも孫さんは同様のスキームで窮地に立たされているところが、なんとも気になります。
そうでなくても新型コロナの件で不安の立ち込める市場ですから、SBGがまさかの事態に陥らないことを強く願うばかりの状況です。
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- 新型コロナの陰に隠れて様子のおかしいSBG株~会社は存続しても孫さんはいなくなる?(4/3)
- 新型ウイルス想定死者数まで示唆したトランプによる戦時内閣(4/2)
- 視界不良の新年度相場(4/1)
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『今市太郎の戦略的FX投資』(2020年4月3日号)より抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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