文大統領の任期はあと2年を切り、業績はほぼ「ゼロ」と固まった。支持率は急落して過去最低の39%へ。司法を完全掌握し、ヒトラーの如く独走態勢を作って世論に見放された。(『勝又壽良の経済時評』勝又壽良)
※本記事は有料メルマガ『勝又壽良の経済時評』2020年8月20日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にご購読をどうぞ。当月配信済みのバックナンバーもすぐ読めます。
元『週刊東洋経済』編集長。静岡県出身。横浜市立大学商学部卒。経済学博士。1961年4月、東洋経済新報社編集局入社。週刊東洋経済編集長、取締役編集局長、主幹を経て退社。東海大学教養学部教授、教養学部長を歴任して独立。
文在寅大統領の任期は残り21ヶ月
一国の大統領は、自らの政治的立場を離れて国民を統一する政治的な義務を負っている。文大統領は就任演説で、自分を支持しなかった国民にも平等に対応し、韓国を統一し発展させたい。こういう抱負を述べた。
しかし、現実はまったく逆であった。「親日排除」=「反日強化」という名のもとに「積弊一掃」の大嵐で、前政権の関係者を強引な捜査で追い込み、約20名が死を選ぶ事態を引き起した。
文大統領の任期は、あと2年を切った。正確には21ヶ月しか残っていない。大統領としての業績はほぼ「ゼロ」と固まった。
冷静に見て、何が業績として残るだろうか。
掲げた「民主・平等・公平」はどこへ? 文政権はさながらファシズム
国内関係では、与党の「ファシズム体制」を築いて民主主義を否定する動きが顕著である。
4月の総選挙では、与党が6割の議席を占めてやりたい放題である。これまでの国会運営ルールをすべてひっくり返し、与党独断体制を築いている。
文政権は、国会で野党からなんらのけん制も受けない「独走態勢」をつくりあげたのである。文大統領の思想信条である「民主・平等・公平」とは、著しくかけ離れた議会運営である。文氏は、それを了承しているのだ。
進歩系学者からも強い批判を浴び、「軟性ファシズム」とさえ言われている。進歩派を名乗る文政権が、ファシズム呼ばわりされているのは、その強引な政権運営にある。多くの市民団体に補助金を与え、政権支持派に回らせている状態は、確かにファシズムに近いことを始めている。
文政権は、原子力発電所を止め太陽光発電を奨励している。太陽光発電を担うのは、多くの市民団体である。そこへ多額の補助金を流しているのだ。韓国の監査院(日本では会計検査院)による原発廃止に関する監査報告では、政権に有利な報告をさせるべく圧力をかけるという「前代未聞」の振る舞いをしている。原発廃止が、いかに強引であったかを物語っている。
文氏は、このファシズム体制で何を狙っているのか。それは、後で取り上げたい。