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アップル株は理論上「無限」に上がる?それでも気になる急落リスク…買い時は=栫井駿介

金融緩和の終焉と競争激化が上昇に転換をもたらす

それでは、ハイテク株は理論の通り「無限大」にまで上昇してしまうのでしょうか。

私は必ずしもそうはならないと考えます。その理由は、以下の2点です。

1)金融緩和はいつまでも続かない
2)成長はいつまでも続かない

前述の公式は、割引率と成長率が一定で、成長が永遠に続くことを前提としています。すなわち、この前提条件が崩れれば、計算されるPERも変化するのです。

FRBは、当面の間ゼロ金利を継続すると言っています。しかし、これはあくまで足元の状況で金融市場を安定させるための発言にすぎません。

もし今後、想定を大きく上回るインフレや資産バブルが生じたらどうするでしょう。インフレは庶民を苦しめることになりますし、バブルの崩壊はかつての日本を見れば明らかなように悲惨な状況を引き起こしかねません。

したがって、もしそのような兆候が見られた場合は、FRBは金融緩和を終了させる必要性が出てきます。

そうでなくても、今の超緩和的な状況に気持ち悪さを感じている関係者も少なくないでしょう。コロナ禍の収束が見えた暁には、緩和を終了させる議論が起きてもおかしくありません。

また、ハイテク株と言っても、成長が永遠に続くことはありません。

例えば、Googleは直近の四半期で上場以来初の減収を記録しました。Googleの収益の大半は広告収入です。景気が悪くなれば、企業は広告への出費を抑えます。テレビ広告はもとより、いまやテレビを上回ったネット広告も例外ではないのです。

経済はすべてがつながっています。経済の低迷に伴い、同じようなことが他のハイテク株にも起こる可能性があるのです。

成長を止めるもう1つの要因が競争です。利益が出るビジネスにはあらゆる企業が殺到し、やがて価格競争に陥ります。そのビジネスが誰でもできるものだとしたらなおさらです。

例えば、Zoomは在宅勤務の拡大などで一気に勢力を伸ばしました。しかし、このようなWeb会議システムは割と簡単に構築できてしまうものです。そのため、MicrosoftやGoogleなど、様々な企業が参入しました。Googleに至っては得意の「無料」でシステムを提供しています。今後は価格競争待ったナシなのです。

これは「成長の罠」と呼ばれ、長期投資の傑作『株式投資の未来』(著:ジェレミー・シーゲル/刊:日経BP)でも指摘されています。競争により、期待したほどの利益が得られず株価は下落するのです。

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