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なぜバフェットは日本の商社株を買った? 素人が真似ても儲からぬ理由=栫井駿介

徹底した「守りの投資」

これを発表したのがバフェットの90歳の誕生日でした。

バフェットも高齢なので正直あと何年生きられるかということは分かりません。バフェットの今の目的としてはいかに次の世代に、資産を安全なポートフォリオとして渡すかということに焦点が移っていると思います。

だからこそこの商社や債券を発行して商社株を買うというのは、安全にリスクヘッジという意味ではとても意味のある動きだったのではないかという風に想像できます。

結論をまとめますと、晩年割安な商社株に対して、1つにはこの新型コロナを受けたインフレヘッジとして資源株としての商社を買ったということです。

また低金利の円建ての債券を発行して裁定取引と言いますが利ざやの差、つまり0.5%の金利と5%の利回りの差を利用した、プラスとなる取引を行ったということです。

その結果は徹底した「守りの投資」、とにかく失う可能性を少しでも減らした投資というのを行ったのではないかと考えられます。

バフェットも言っていることに『投資の一番大切なことは第一にお金を減らさないことだ、そして第2に第1のルールを忘れないことだ』と言っています。

そのような守りの投資というのを徹底的に体現したのが、この商社株への投資だと考えられるわけです。

バフェットのマネをして大丈夫?

さて、気になるのが、私たちがこの商社株へ投資すべきかどうかということです。

ここまで説明してきたように、バフェットはこれらの会社が急激に成長するということを望んで投資したわけではなさそうだということです。

あくまで安全な資産あるいはこれから想定される大きな動きに対して、負けてしまわないような資産構成をとったということが考えられます。

したがって、これで大きく儲けてやろうと思う人は、投資の対象ではないということです。

もっといけないのはバフェットが買ったからというだけで、商社にどういう特徴があるのかもわからずに投資してしまうというのは最悪なので絶対にやめてください。

商社がどのような特徴、どのようなビジネスをしているかということを理解したうえで投資して、初めて意味のある判断ができます。

バフェットがいつ売るかということもわかりませんから、バフェットが売ってから損をしたと言っても遅いわけです。

バフェットが買ったということで株価が上がってしまっていますので、損をする確率は上がってしまっているということになります。

Next: 上昇余地は限定的? 「商社」を理解せずにマネするのは危険

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