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安倍辞任にぬか喜びの韓国が「日本への非礼」と反日を反省しだしたワケ=勝又壽良

韓国の「米中二股外交」が破綻する

前記の中央日報編集局長は、具体論として東日本大震災(2011年3月11日)の10周年記念日に、文大統領の震災地訪問を提案している。金大中元大統領がかつて、日本を訪問して日韓雪解けの機会をつくった例に倣えというものだ。

金大中氏が、思い切って日本と和解に動いたのには理由がある。韓国経済が、1997年の通貨危機で瀕死の重傷を負ったからだ。日本と提携関係を深めざるを得なかったのである。

文在寅大統領が、日本と和解せざるを得ないのは、経済的な問題のほか、国際情勢の急変がある。米中対立が深刻の度を加えている中で、韓国の米中二股外交は困難になっている。米国が米中デカップリング(分断)に踏み切れば、中国の金融と半導体産業が、壊滅的打撃を受けるはずだ。そうなれば、中国は韓国の主要輸出市場でなくなる。

こういう状況では、韓国の「米中二股外交」が破綻するだろう。中国へいくら秋波を送っても、米国からさらに冷遇されるがオチである。

韓国は、このデメリットの大きい二股外交から足を洗う最終段階に差し掛かっていることに気づき始めたのでないか。そう思える「証拠」を後で取り上げたい。

国際感覚に疎い「86世代」の限界

文政権は、「86世代」という学生運動家上がりの猛者が、大統領符秘書官の6割を占めている。1960年代生まれで80年代の高度経済成長の学生時代に、「反資本主義」「反軍事政権」「反日米」を連呼して火焔瓶を投げつけてきた人たちだ。そう言っては失礼だが、学生時代に真面目に学問へ立ち向かわず、そのまま社会人になったと思われる。

だから、国際感覚が「1980年代」のままで止まっているのだ。新たな米中冷戦開始という歴史的事件を十分に咀嚼できずに、生半可な80年代の知識の延長で「親中朝・反日米」の立場を踏襲してきた。それが、韓国外交の障害となって立ちはだかってきたのだろう。中国からの「脅迫」と米国の「圧力」に直面して、自らの外交知識の不足に直面していると見られる。

こうなると、「反日米」路線を修正しなければならない。

行き詰まった対日外交をどう立て直すか。「親日排除」という国内政治路線を「反日」に結びつけるデメリットの大きさを知ったに違いない。近隣国・日本との関係見直しを迫られているのだろう。それが、外交路線変更のワンステップとなるのかも知れない。

Next: 韓国要人が中国批判。外交のハンドルは左から右に切られた?

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