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若者こそ知るべき日本会議と菅内閣の関係。彼らは自分の敵か味方か?=原彰宏

菅政権も「日本会議」と密接な関係にある

菅野完氏の「日本会議の研究」によれば、「生長の家原理主義者たちは憲法9条改正よりも憲法24条改正(個人としての尊厳・個人の尊重を削除し、家族保護条項をいれる)に重点を置いている」と記しています。

また、日本会議を「宗教右派の統一戦線」と評されることがありますが、それは、神社本庁を筆頭とする神社界と、数々の右派系の新興宗教団体が、巨大な資金力や動員力を強力に下支えしているところにあるからだと思えます。

神社本庁は、伊勢神宮を本宗とし、日本各地の神社を包括する宗教法人です。全国の神社には、憲法改正を訴えるチラシが置いてありますね。

日本会議の活動を担うと言えば、各地神社だけでなく霊友会や崇教真光などや、さらに、若者層に食い込む日本青年協議会や、若手経営者たちの日本青年会議所(JC)なども、日本会議の運動に取り組んでいるようです。

国会においては超党派による「日本会議国会議員懇談会」が設立され、国会議員と日本会議が意思の疎通をはかっています。

菅政権の閣僚20人のうち、14人がこの組織に所属していて、菅総理自身も含めて、21人中16人が、日本会議と何らかの形でつながっていると言えそうです。

ただ、閣僚の半分は安倍政権からの留任ですので、今の段階では、安倍政権が日本会議と密接な関係にあったという表現が正しいでしょう。菅総理自身には、保守だの右翼だのというこだわりはないと言われています。

日本会議が目指す社会とは?

日本会議が目指している社会像を伺うキーワードを拾ってみます。

<憲法改正>

押し付けられた憲法として、9条をはじめ国家体制、個人、家庭などに至るまで、「現状に合う憲法を」と主張しつつ、戦前回帰的な思考をもとに改定しようとしていて、憲法改正が結党以来の目標である自民党とは、強い親和性が伺えます。

<教育改革>

幼児のころから国家意識が必要だとして、教育の制度や構造を変えることを重視しています。教科書改定にも力を入れていて、物議を醸し出した「新しい歴史教科書をつくる会」とも連携しています。「愛国心」などを取り入れた懸案の改正教基法は、第一次安倍政権で成立しています。

<靖国護持の基盤 国立追悼施設建設には反対>

<歴史認識>

「美しい国ニッポン」という第一次安倍政権のスローガンが、日本会議の歴史認識と合致します。当時も話題になりましたが、南京虐殺事件はなかったものにしたい考えで、当然、従軍慰安婦の話も歴史から削除したい考えでしょう。東京裁判は否定の立場です。このような話には、日本青年協議会が関わることが多いようです。

<伝統的家族制度の復活>

夫婦別姓には反対の立場で、戦後の「国家から個人へ」の流れには不満があるようです。自民党の改憲草案は、その24条で、「家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される。家族は、互いに助け合わなければならない」というのがあり、これに日本会議として同調しています。

<天皇中心主義 天皇の生前退位・女系手納反対の立場>

このほか、外国人に参政権を付与することにも異を唱えています。

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