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若者こそ知るべき日本会議と菅内閣の関係。彼らは自分の敵か味方か?=原彰宏

支持団体の意向次第

政治家にとって、なによりも大事なのが「票」です。「命よりも大切」と思っている政治家もいるでしょう。政治家は常に選挙というフィルターを通らなければならないので、どれだけ多くの支持者を抱えられるかが、政治家であるために、政党維持のためには極めて重要になってきます。

それゆえ政治家や政党は、支持者の意向を尊重します。支持団体の思惑を実現することで、多くの「票」を長期安定的に確保しようとします。支持団体の意向が、政党の国家観に強く反映されます。支持政党を判断するうえでは、どこが支持母体かを見極めることが大事です。

政党ごとに、「票田(ひょうでん)」と言われる支持者層は異なります。「票田」という言葉は、支持者を人間ではなく「票」としか見ていない表現ですよね。

最もわかりやすいのは公明党で、最大の支持母体は創価学会ですね。創価学会の意向に基づいて、公明党は政策提案を行うことが多いです。

野党を支持している集団として労働組合があります。野党政策は、労働者側の意向を組んだ政策が強くなります。

今回、野党共闘をする際に、一部の国民民主党議員は立憲民主党との合流には参加しませんでした。原発全廃を掲げる立憲民主党には、電機労連から支持を得ている議員は参加できませんでした。原子力関連施設で働く労働者に不利になる行動は、電機労連の手前できないということで参加しませんでした。支持団体を意識する余り、政党として動きが縛られる例でもあります。

ずっと政権与党として君臨する自民党の支持母体には、経済団体があります。それゆえ政策は経営者側に有利なものが多いとされ、この点では、労働組合を支持母体とする野党とは対立する構図となっています。

この支持団体に関して、特に安倍政権で強く存在感を表しているものに「日本会議」があります。

「トランプ大統領には非常にコアな支持者層がいる」こんな報道をよく耳にしますね。コアな支持者とは、支持政党にどんなことが起きても、どんなに候補者がマスコミに叩かれたとしても、絶対に応援する、必ず投票してくれる人たちのことです。そのコアな支持者層には、宗教団体や思想団体が多く、つまり、利権よりも思想や宗教観、イデオロギーで政党とつながっていることが多いようです。

イメージだけの話ですが、保守系のコアな支持者層には宗教団体や思想団体が多く、野党系にはあまりそういった色合いは見られないような気がします。あくまでも表面上のイメージの話です。野党の議員にも、宗教団体や思想団体から支持を得ている人もいますからね。

そのイメージを抱く背景には「保守」と「革新」という立場の違いがあるのでしょう。詳しくは後述します。

トランプ大統領には、キリスト教福音派と呼ばれる宗教団体がついていて、中絶反対やLGBTQに不寛容な思想を持つ人が多いことから、トランプ大統領もそういった政策には非積極的な様子が伺えます。

そう考えると、コアな支持者層の思想がその政党の色を決め、今後の政策、つまり国家観を決めているようでもあります。

現政権の国家観に影響を与える「日本会議」

自民党にとって、そのコアな支持者層が「日本会議」ではないかと言われています。

自民党がというよりも、特に安倍政権になってから日本会議の影響力は強まったと思われます。自民党の支持母体と言うよりも、安倍前総理が所属する清和会(細田派)が、日本会議の支持を強く受けているというのが本質に近い表現かもしれません。

従って、清和会が牛耳る政権の国家観を知るには、この日本会議を知る必要があると思われます。

Next: 日本会議は「保守」。その思想と安倍元首相の言葉は見事に重なる

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