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産油国が笑うだけ。岸田・バイデンの石油備蓄放出は無意味、インフレは誰にもコントロールできない=角野實

世界的な原油高騰を受けて、日米中印ほか各国が協調して石油の国家備蓄を放出すると表明しました。もしこの方法でインフレが収まらなかったら、次の手はありません。インフレをコントロールできるなどという考えは甘いのではないでしょうか。(『角野實のファンダメンタルズのススメ』)

【関連】優秀な人ほど日本を降りていく、岸田内閣「富の再分配」の異常性。国民や投資家は増税ではなく“稼げる社会”を求めている=角野實

※本記事は有料メルマガ『角野實のファンダメンタルズのススメ』2021年11月24日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:角野實(かどの みのる)
大学卒業後、金融機関に10年ほど勤務。独立して投資家の道へ。現在は企業経営者として活動、FX関連の執筆を多数行っている。

最終手段「戦略石油備蓄の放出」を使って大丈夫か?

世界的な原油高騰を受け、各国でSPR(戦略石油備蓄)の放出が始まりました。

一見すると、科学的に需給を分析し、放出をしているように見えますし、これ自体に異論をはさむ人は少ないでしょう。供給が足りないのであれば、供給を行えばよい。理に適っていると私も思います。

でも、供給を増やしてもまだ足りなく、価格が上昇したらどうするのでしょうか?

東日本大震災のときの原子力発電所のように、想定以上の津波が来て何も手が打てなく、被害が拡大するのを眺めているまま……という状態を繰り返してはいけません。

結局、石油の国家備蓄の放出というのは「最終手段」であり、個人的には、いま用いる手段ではないと考えています。

万が一、これで収まらなければ、次回の策に何があるのですか?ということです。

実際に世界中で、日本語風にいえば「新嘗祭」が行われている中で、協調して国家備蓄を放出するのは評価できますが、できなかったらどうするの?ということです。

今回の原油高騰は異常。国家備蓄放出が逆効果となる可能性も

当メルマガで何度も指摘しているように、石油は冬の時期に向けて、12月上旬で最大ピーク需要になっています。供給があれば、買い占められるだけの話です。

放出しても、価格が下がらなければどうするの?とは、誰しもが思うことです。

石油価格というのは、ドルの価格と反相関の関係になっています。

最近の原油高騰は異常なことに、ドルが高騰しているときに原油が高騰をしているのです。これは、ちょっとやそこらの供給を増やしても「無駄だ」ということを端的に示しています。

通常、これだけドル高になれば、原油価格は私の肌感覚では45ドルくらいになっているだろうね、とは思います。

でも、なっていませんよね。むしろ、SPRの放出を決定したら上昇してしまっている……ということです。

Next: ブッシュもオバマも「石油価格のコントロール」は無理だった

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