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バイデン政権誕生前後に株価調整?シーゲル博士、ガンドラック氏の見解は=江守哲

バイデン新政権誕生前後の調整に要注意

現在の米国株は高値圏でのもみ合いである。次の方向性を探る動きになっているが、1月中旬から下旬にかけては下げやすい傾向がかなり明確になっている。このような事情もあるのか、買いづらいと考えている投資家がいるのかもしれない。米国株はシーズナリティに合わせて変動する傾向があり、過去データは無視できない。特に20日のバイデン新政権の誕生前後からの調整には細心の注意が必要である。

その後は2月にかけていったん持ち直すが、その後は再び2月末にかけて下げる。3月に入るとようやく上昇基調に入り、5月末まではかなり堅調に推移するだろう。しかし、今年は6月が鬼門になる。ここで大きく調整する可能性がある。この下げが大きくなり、年初の水準を下回るようだと、今年の上昇は限定的になるだろう。

このように、シーズナリティからある程度の変動の予想ができる。あとは、昨年のコロナショックのような突発的な事象がなければ、おおむね今後の株価は見えている。したがって、今後も深押しのタイミングを逃さないようにし、押し目での買いをしっかりと入れていくことが肝要である。これが長期的に資産を増やしていく上で重要なポイントになる。

一方、テスラは堅調である。テスラ株の空売りが止まらないもようで、これが「燃料」となって株価を押し上げているようである。これまでも指摘してきたように、このような空売りは最終的に相場を押し上げることが多い。上げている相場で空売りを増やすと、このようなことになる。いろいろな理由で空売りを行っているのだろうが、いまは全く効果がないどころか、損失が膨らむだけであろう。

今年はすでに1%を超える上昇となっており、主要株価指数は史上最高値を更新している。きわめて順調なスタートである。ただし、米国株のシーズナリティは常に念頭に置いておきたい。そろそろ調整の可能性が高まるころである。20日のバイデン次期米大統領の就任式前後がピークになるだろうか。その後は下落し、1月末に底打ちし、いったん戻した場合でも1月の高値を超えずに再び低迷するだろう。3月に入ると後半に1月高値を更新し、6月初めまで堅調に上昇するだろう。

とりあえず、いまはここまでは見ておくことにする。その先はもう少し状況を見て判断すればよいだろう。ただし、米国株は強い相場がさらに強くなる傾向がある。過熱感があるように見えても、それを凌駕する強さを見せることが多い。こうなると、やはり空売りは厳しい状況に追い込まれてしまう。やはり「上げている相場は買い」「下げている相場は売り」という単純な見方がよいのである。

過去の強い相場の時の米国株の傾向からみると、最大で15%前後の下げを見ておけばよいだろう。無論、昨年のようなコロナショックのようなことがあれば別だが、常時の過熱感の調整は最大15%から20%弱を見ておけば、おおむね外れることはない。過去のデータを見ても、それは明確である。

例えば、いまのように、1945年以降で6カ月を超える上昇基調が続いたケースは11回あるが、1年後に下げていたのは1987年の1回だけであり、平均騰落率は13.8%である。非常に良いリターンである。上昇期間の間のピークからの最大下落率(最大ドローダウン)は16.0%である。

これはちなみに、コロナショックが起きる昨年2月19日までの上昇期間で発生している。このように見ると、上げているうちは15%程度までの下げを見込んで押し目買いを行えば、おおむね上手くいくことがわかる。だからこそ、長期ポートフォリオ戦略では、5%超の下落からの下げ局面での押し目買いが有効だと考えている。実はこれはきわめてセオリカルな投資戦略なのである。

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本記事は『江守哲の「投資の哲人」〜ヘッジファンド投資戦略のすべて』2021年1月18日号の一部抜粋です。全文にご興味をお持ちの方は、バックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。本記事で割愛した米国市場日本市場為替原油ほか各市場の詳細な分析もすぐ読めます。

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image by:vasilis asvestas / Shutterstock.com
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江守哲の「投資の哲人」〜ヘッジファンド投資戦略のすべて』(2021年1月18日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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株式・為替・コモディティなどの独自の市場分析を踏まえ、常識・定説とは異なる投資戦略の考え方を読者と共有したいと思います。グローバル投資家やヘッジファンドの投資戦略の構築プロセスなどについてもお話します。さらに商社出身でコモディティの現物取引にも従事していた経験や、幅広い人脈から、面白いネタや裏話もご披露します。またマーケット関連だけでなく、野球を中心にスポーツネタやマーケットと野球・スポーツの共通性などについても触れてみたいと思います。

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