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副業を年商20億円企業に成長させた元・土木作業員の社長に聞く「失敗しない」副業の始め方=俣野成敏

副業ビジネスが上手くいく“2つの要素”

小さなビジネスでしたが、ヤクルト、味の素、キリンビールといった企業の仕事を受けるようになり、徐々にその存在を知られるようになった馬場さんたち。だいたい仕事は仲間内でこなし、慣れたメンバーが多かったため、成果を出すに従い、知名度も上がっていきました。

馬場さんたちの取引先の1つに、クレディセゾンがいました。クレジットカードの開拓業務を受けていましたが、馬場さんたちは「仕事を依頼すると、桁違いにクレジットカードの申し込みを受けてくる」と噂になるほどだったと言います。

馬場さんは、クレディセゾンの担当課長から「なんで法人にしないの?法人にすれば、もっと仕事を発注するのに」と言われたことをキッカケに、彼女と一緒に起業したのです。

「起業後、クレディセゾンに行って『会社をつくりましたので、よろしくお願いします』と挨拶すると、課長はちょっと呆れた顔をして『本当につくっちゃったの?じゃあ、仕事をやってもらわなきゃね』と言って、多摩地区の仕事を振ってくれました。そこから、一気に売り上げが上がりました」(馬場さん談)

起業のキッカケは「取引する」という相手の言葉を信じたから。当時は意識していなかったようですが、実は馬場さんは、起業時に必要な条件をクリアしていました。それは、以下の2つです。

1. “マーケットイン”思考で事業を選んだこと
2. すでに顧客がいたこと

(1)のマーケットインというのは、市場や顧客の立場から、顧客のニーズを掘り下げ、ビジネスを構築することを言います。要は、「市場が求めているものを提供する」ということです。

マーケットインの反対語をプロダクトアウトと言いますが、こちらは開発者の目線から商品開発を行うことを指します。よくある「自分が良いと思うものは、他人も良いと思うに違いない」というのは、プロダクトアウトの考え方です。

ビジネスでは、自分の好みを持ち込まないほうが、成功確率が上がります。自分のこだわりがあればあるほど、現実が見えなくなり、顧客の求めているものがわからなくなることが多いからです。

馬場さんがメイン事業として選んだプロモーション事業は、人を派遣して商品の紹介を行ったり、イベントを盛り上げたりする仕事です。しかし楽しいことばかりではなく、人を集めて教育し、戦力にしなければならないという、難しい面もあります。

馬場さんのように、世の中の求めに応じて副業で小さく始め、手応えを感じた時点で起業する、というのはある意味、ビジネスの理想形だと言えるのではないでしょうか。

Next: 起業の勇気をくれた日雇い「土木作業員」の健康的な生活

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