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なぜ日本人の賃金は上がらないのか?本当に低かった生産性、「手取り13万」がトレンド入りする現実=原彰宏

物価上昇率に賃金上昇率が追いつかない

物価上昇率を見てみますと、政府統計の消費者物価指数(CPI)総合によれば、年平均比較だと、上記賃金比較の年を合わせると、1990年から2020年に至るまでの30年間での物価上昇率は「10.6%」ということになります。

賃金上昇率が30年間で1,700ドルアップは「4.6%」になりますので、日本物価上昇に賃金アップが追いついていない。

つまり、データ上では、1990年から30年間は、生活が厳しくなっていることになります。

「生鮮食品を除く総合」での物価上昇率は「10.1%」、生鮮食品及びエネルギーを除いた場合は「9.3%」、持家の帰属家賃及び生鮮食品を除いたら「9.8%」の物価上昇率となっています。

ですから、いずれにしても「4.6%」の賃金上昇では、とても追いつかないことになります。

日本人は1990年から年々“貧しくなっている”

日本人は、1990年から年々“貧しくなっている”ということになります。

それでもデフレだったので、デフレの申し子である「100円ショップ」や「吉野家の牛丼」「コンビニ弁当」にはずいぶん助けられています。

円高であったこともあり、輸入コストは低く抑えられていたので、生活はなんとかなったのでしょうね。事実、若者の間では、生活満足度が高いというデータもあります。

ただ、アベノミクスで円安になり、原材料費が上がる事による物価高「コストプッシュ型インフレ」が進行して、賃金上昇がない現状がクローズアップされてきました。

経済を考えればデフレはまずい、でも生活を考えたらインフレのほうがまずい…。

今選挙で盛んに各党「デフレからの脱却」と言っていますが、この状態で本当にデフレを脱したら、物価上昇だけが進んで、ますます私たちの生活は「苦しくなりゃあしませんか…」ということになりかねませんよね。

生活を守るという観点から見て、デフレが良いのか、インフレが良いのか。賃金アップは実現するのか。

各党選挙戦では最低賃金引き上げを“お題目”にはしていますが、具体的な対策は見えてきません。

まだ「れいわ新選組」は、企業への補助金で最低賃金を「1,500円」にするとしていますが、その政策にしても財政面から継続性が問われますし、そもそも本質の解決にはならないですよね。

Next: 韓国やニュージランドより低い労働生産性。どうすれば賃金は上がる?

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