「株価はまだ安い可能性が高い」
では、少し先のことを考えてみましょう。
たとえば5月上旬にFOMCが予定されているはずですが、ここでは金利は0.25ではなく0.5引き上げる可能性があるのはみなさんも周知のとおりだと思います。
実質金利は、政策金利…インフレ率です。そのインフレ率は0.6パーセント上昇しましたので、実質金利を0.5上昇させれば実質金利は0.1パーセントしか上昇しないことになります。
つまり、次回のFOMCにてFRBが0.5ポイントの利上げを行うことはほぼ確定的なのです。
ですから、FOMCで0.5の利上げというのはほぼ確定しているということで、サプライズでは0.75だ、ということです。ただし、ここにQTが加わりますので、おそらくその可能性は少ないであろう、と考えるのが合理的な判断となるのです。
要は「株価はまだ安い可能性が高いよ」と言っているのです。
黒田日銀総裁のサプライズはあるのか?
以前のドル円の安値は、黒田バズーカによって示現された125円になります。
このときはこれ以上の円安は日本経済にはダメージがある、と黒田さんは発言し、その後、円高となりました。今回も時間の経過はありますが、それほど国内の産業構造は変わっているとは思えず、この辺以上の円安は、黒田総裁・日銀も望まないであろうと、分析はかなり甘いのですが、思います。
注目することは、円安が進行している最中に黒田総裁が官邸を訪問し、岸田首相と3月末に面談をしていることです。その直後に高市政調会長が参議院選挙を前に高齢者に5,000円ばらまくという政策を撤回していることです。
おそらく、今後、金利の引き上げを行う可能性があるか、金融緩和を縮小するかの選択を考えている結果、5,000円のばらまきは適当ではない、という判断が働いたと思います。
米国ではさらに5月上旬にFOMCで0.5の利上げは確定的だと私は考えています。そこで、みなさんが思うように金利差でドル円相場が決定しているとすれば、さらに円安が進行をすると思います。
となると、日本経済は輸入物価が上昇することによって一般市民の生活は相当に苦しくなります。賃金の上昇は、企業は儲かるわけがありませんので、期待を多く込めるわけにはいきません。この円安で輸出企業は大きく儲けていますでしょうが(笑)。
その際に選挙対策でのばらまきが不適当と判断されたという事実は、日銀が何か、動くのではないかという疑心暗鬼を生むことになりますし、このまま円安が続くことに警戒をしている人は政策関係者には多いと思います。
次回の日銀金融政策決定会合も注目だ、ということです。黒田さんお得意の、サプライズがある可能性もあると思います。
<初月無料購読ですぐ読める! 4月配信済みバックナンバー>
※2022年4月中に初月無料の定期購読手続きを完了すると、以下の号がすぐに届きます。
- 日銀金融政策決定会合に注意(4/18)
- 自然利子率とマーケット(4/17)
- 円高になると思う(4/15)
- プーチンがいうことが絶対のロシア(4/14)
- インフレはまだまだ進行すると思います(4/13)
- 今年のパフォーマンスは資源になるだろう、大商品の時代がやってくる(4/12)
- 現金の価値が高まる社会(4/11)
- どうやれば侵攻が収まるのか?(4/10)
- なんかおかしいと感じませんか?(4/8)
- バイデンはぼろ負けプーチン勝利(4/7)
- ISM非製造業について(4/6)
- ドル円のおさらい(4/5)
- マーケットはある程度見えている、とは思います(4/4)
- ロシアが西側同盟に楔を打つ、予定通りの行動(4/3)
- やはり転換してきたマーケット(4/1)
※本記事は有料メルマガ『角野實のファンダメンタルズのススメ』2022年4月17日号の一部抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
<こちらも必読! 月単位で購入できるバックナンバー>
※初月無料の定期購読のほか、1ヶ月単位でバックナンバーをご購入いただけます(1ヶ月分:税込990円)。
- ドル買いが終わった今後はどうなるのか?(3/31)
- 元に戻ったのだろうか?(3/30)
- 日銀は円安容認なのか?(3/29)
- 円安が支配するマーケット(3/28)
- 少し未来のことを考えればなんとなく見えることがある(3/27)
- 金利高騰中\(◎o◎)/!(3/25)
- やっと下がった、と、大国間の戦争の歴史(3/24)
- ようやく実質金利が上昇し始めた・・・と「円相場」の解説(3/23)
- やはり因果関係が大事だと思います(3/22)
- マーケットの流れ(3/21)
- なぜ株価は上昇するのか?(3/20)
- きのうの本日の解説を検証してみましょう(3/18)
- 本日のマーケットの見方、を解説します・・(3/17)
- たとえば中国最大手不動産業者エバーグランデはどうなったのか?(3/16)
- 正念場の金融市場(3/15)
- アメリカの凋落 ―目の前に起こっている現実を間違えてはいけませんー(3/14)
- エネルギー価格はまだまだ高い(3/11)
- 今の状態を整理してみましょう(3/10)
- もっと冷静にマーケットをみるべき(3/9)
- 無茶苦茶な経済情勢(3/8)
- なぜ金利が大事なのか? 整理してみよう(3/7)
- 石油ショックの意味(3/6)
- マーケットも、考え方も偏りすぎはよくない(3/5)
- ウクライナはオラウータンの集団行動と同じ(笑) そのほかユーロなどもりだくさん(3/4)
- 2016年から続く「強気相場」の終了(3/3)
- やはり3月1日はあたまになる可能性? とウクライナはやっぱり茶番(3/2)
- 露中銀のドル使用停止の意味(3/1)
- おそらく全部茶番。 ウクライナ侵攻(2/28)
- ロシアのNATO東方拡大阻止の意味(2/26)
- 不況が予測されるのになぜマーケットは戻ったのか? わからないときは基本に立ち返る(2/25)
- なぜ対ロ制裁は意味がないのか?(2/24)
- とんだ茶番劇のウクライナ情勢(2/22)
- わからなければ少しの未来をみればよい(2/21)
- 新しい資本主義という本を読んでみた(2/18)
- 実質金利が上昇(2/17)
- ロシアの侵攻懸念に関する類推はいかがでしょうか?(2/16)
- 原油にストラドルが入ったことを確認(2/15)
- ウクライナはどうなるか?(2/14)
- ロシアは資源大国になろうとしている、情報錯綜のウクライナ情勢の解説(2/13)
- インフレ助長と通貨の解説(2/11)
- 本日はインフレ指数の発表 予測されていることは怖くない(2/10)
- アメリカへの不安(2/9)
- 来週からおかしくなる可能性があります(2/8)
- ウクライナ情勢はどうなるのか? インフレの行方は? マーケットの行方は?(2/7)
- ISM非製造業指数の解説(2/4)
- ドルが強くなるお話しとADP雇用(2/3)
- ISM指数の解説(2/2)
- なぜ月の後半に株価は失速するのか?(2/1)
『角野實のファンダメンタルズのススメ』(2022年4月17日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
初月無料お試し購読OK!有料メルマガ好評配信中
角野實のファンダメンタルズのススメ
[月額990円(税込) 毎週月・火・水・木・金曜日(祝祭日・年末年始を除く)]
株やFXをトレードするときほとんどの人が感覚や本能でトレードをしています。その感覚や本能は素晴らしいものですが、どの世界でも本当に成功するのはそれを科学的、ロジカルに説明することができるものです。このメルマガを読むことによって株式やFXに科学的な視点を加えることを目的にできればと思います。