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スギ薬局、店舗への“暖房禁止令”で大炎上。創業者夫妻“ワクチン優先便宜”騒動でも垣間見えた上層部の「特権意識」と「他責思考」

大手薬局・ドラッグストアチェーンのスギ薬局が、この寒さの厳しい折に各店舗に“暖房禁止令”を強いていたと報じられ、大きな波紋を呼んでいるようだ。

報道によれば、会社から各店舗に対して「12月も暖房の使用を控えるように」との趣旨のお達しがあったとのことで、雪が降るような寒い地域の店も例外にはならなかったとのこと。もともと冷暖房使用に厳しい社風ということで、春や秋の冷暖房使用は禁止、さらに今年に至っては節電を理由に、12月も暖房使用を解禁しなかったといい、一部の店舗では夕方以降は寒さで凍えるほどだという。

同社の広報は、取材に対して「暖房を原則使用しない」との方針を通達したことを認め、例年は12月からエアコンを使用しているが、今年は政府からの節電要請を受け、暖房を使わない方針を継続したと、説明しているという。

「従業員を人だと思っていない」と非難殺到

家計への負担増がしきりに取沙汰されている電気代高騰だが、それは企業も同様。とある調査によれば、企業の約7割が電気料金高騰による負担増を価格に転嫁できていないといい、負担増分を企業側が自社で吸収しているという実態があるようだ。

スギ薬局も2022年11月末現在、グループ全体で1,533店舗を誇り、さらには郊外型の面積が広めな店舗も各地に見られるだけに、普通に冷暖房を使用していたとすれば、その費用は膨大なものになるのは間違いなく、さらに昨今の電気代高騰の影響もかなり受けていただろうと想像される。

しかし、だからといって暖房を一切使用しないというのは、やりすぎどころか下手をすると法令違反となる可能性が。

というのも、労働安全衛生法に基づき定められている厚生労働省令「事務所衛生基準規則」では、空気調和設備を設けている事業所に関しては「室の気温が十八度以上二十八度以下及び相対湿度が四十パーセント以上七十パーセント以下になるように努めなければならない」と定めているからだ。

スギ薬局側は「政府の節電要請に従った」との苦しい釈明をしている今回の件だが、SNS上などでは“行き過ぎた経費削減”だと捉える反応が大多数で、「働いてる人を人間だと思っていない」といった批判の声が多数。

さらには「取材を受けているスギ薬局HD社長の服装や肌色を見るに本社は暖房効いてそう」といったツイートもあるなど、上層部がいる本社と末端店舗では、労働環境に大きな差が存在するのでは……といった邪推までも飛び交っているようだ。

スギ薬局といえば昨年、新型コロナワクチンの接種を巡って、創業者である杉浦広一氏とその夫人が優先的に打てないかと、住民票がある愛知県西尾市に対してしきりに打診。市側も高額納税者である夫妻に忖度したのか、接種枠を特別に確保していたという話が発覚し、「上級国民への優遇」だとの声が殺到するという大きな騒ぎとなったことがあった。

【関連】高額納税者にワクチン優先接種?西尾市副市長を忖度に駆り立てた「高須院長の悪夢」と選挙間近の自民系市長を庇う歪んだ献身

この際にもスギ薬局側は、創業者の秘書が手術経験がある夫人のことを慮り、その使命感から市に何度も優先接種の問い合わせを行ってしまったと、社として圧力をかけたのではなく、あくまで秘書の暴走だったと、これまた苦しい釈明を行い、さらなる批判の声を招いたのも記憶に新しい。

このように創業者や上層部による、自らを特権階級か何かだと思い込んでいるのかのような振る舞いもさることながら、それらの行為が露見し叩かれれば「政府の節電要請が…」「秘書の暴走」などと、とりあえず下っ端などの他者のせいにするという“他責”ぶりは、もはやスギ薬局お馴染みのムーブ、あるいは宿痾と言っても良さそうである。

「冷暖房使用に厳しい社風」裏付ける創業者夫妻のドケチぶり

いっぽうで、そんな“ワクチン優先”騒動の最中に取沙汰されていたのが、創業者夫妻のドケチな素顔。

彼らの地元である西尾市には、スギ薬局が市に無償貸与するスポーツジムが存在するなど、地元では名士として知られているという創業者夫妻だが、いっぽうで地元住民によれば、地域の祭りが開催される際に寄付をお願いしたところ、たった100円しか渡さなかったなど、とにかく気前はよくないと評判だったいうのだ。

そんなケチケチエピソードを聞けば、今回の記事にもあった「もともと冷暖房使用に厳しい社風」という謎の一文も、大いに頷けるところか。

わずか16坪の小さな薬局を振り出しに、わずか40年余りの間で1500店舗を超える日本有数のドラッグストアチェーンを築き上げ、21年に米経済紙『フォーブス』が伝えたところによれば、創業者の資産は約1550億円にも及ぶというスギ薬局。

そんな栄光の裏には、ドケチとの誹りも意に介さない究極なまでの切り詰めが必要不可欠だったということだろうが、その影では末端の従業員が最低限の労働環境さえも確保されず泣いていたとあれば、輝かしい立志伝にも大いに傷が付くといったところだろう。

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