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高知県土佐市で“移住者追い出し”再び。地元の有力者「たかがSNS」との恫喝に対しネット上では“ふるさと納税ボイコット”の動き

高知県土佐市に地域おこし協力隊として移住した人物が、地元の有力者に目を付けられて追い出されそうになっていると訴える一連のツイートが、大きな話題となっているようだ。

そのツイートによれば、地域おこし協力隊の募集に応じて、県外から高知県土佐市に移住した夫婦は、同市が所有する物件でカフェを開業。やがて人気店となったものの、同時にカフェがある建物の「指定管理者」となっているNPOの理事長である80代男性が、店員への恫喝やセクハラ行為を行ったり、「俺が見つけてきた料理人を雇用しろ」などと店の経営に口を挟むように。

その後NPO理事長は、物件から退去するよう通告する旨の文書を“捏造”し、その夫婦に突きつける事態に。いっぽうでNPOを監督指導する立場にある土佐市側は、以前同市による公共事業において、反対派住民の切り崩しにそのNPO理事長が暗躍したという“恩”があるため、頭が上がらず。最終的にはNPO理事長とともにカフェに退去を迫っているとのこと。

ちなみに、いかのカフェが退去した後には、NPO理事長の知人の飲食店が入居する予定になっているという。

四国で相次ぐ地域おこし協力隊への嫌がらせ

つい最近も、北海道のとある村に移住した女性YouTuberが、村の男性からの執拗なアプローチにくわえ、それを断ると悪い噂を流される、さらには複数の男性によって自宅を襲うといった計画も浮上するなどし、村からの避難を余儀なくされたというが報じられるなど、度々あがる地方移住を巡るトラブル。

いっぽうで、地域おこし協力隊による移住者と地元の一部住民との間でのトラブルというのもよく聞く話。

今年1月には、同じく四国の愛媛県に移住した人物が、地元の顔役的人物らとの関係が悪化したことがきっかけで、様々な嫌がらせを受けるようになり、ついにはボヤ騒ぎにまで発展。最終的にその土地から出ていくこととなったという話が、朝日新聞などの全国紙も取り上げるなど、大きな話題となったばかりだ。

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「これだから田舎は…」といった反応が、事あるごとにあがるこれらの騒動だが、ともに地域おこし協力隊絡みの今回の件と愛媛の件をみてみると、いずれも地元の有力者とされる人物との軋轢が、その後のトラブルのきっかけとなっており、それに他の地域住民も抗えず……という構図が、お決まりのパターンとなっているよう。

SNS上では、今回の騒動を受けて「地元の有力者」なるワードがトレンド入りするなど、大いに取沙汰されている状況で、この手の話はどんな田舎にもよくあることだという見方もあるいっぽう、殊に土佐市に関しては、件の有力者の自宅周辺だけしっかりと道路整備がされているといった話も浮上するなど、周辺の他地域と比べてもそういった人物が幅を利かすことの多い「めんどくさい土地」であるとの声も、少なからずあがっているところ。

実際、移住夫婦のカフェが入っている建物は、過去にもこのNPOの“横槍”が理由で、決まりかけてた入居話がおじゃんとなったことがあるようで、さらには同市の地域おこし協力隊の募集に関しては、常に募集中だったという話も。となると今回の件も、起こるべくして起こったという感もしてくるところだ。

セクハラ相談に「尻でも触らせて機嫌を取れ」と答える市職員

いっぽう、先の愛媛の件と今回の件での共通点ということでいえるのが、地元自治体があくまでも日和見な姿勢で、それどころか移住者側に折れてもらおうといった動きを取るなど、この手の問題の解決においてほとんど機能していない点。

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今回の件でも土佐市側は有力者側の立場に立ち、カフェを営む移住夫婦に対して退去通告を行っているとのことで、さらには先述の有力者による“セクハラ”に関しても、市職員は「尻でも触らせて機嫌を取ればいい」と応じていたとのことで、まるでお話にならないといったところ。

それゆえに、SNS上では土佐市に対しての不満の声も多いようで、今回の件とはまったく無関係な“観光協会”のSNSアカウントに特攻する者が絶えないといった状況なのだが、そのいっぽうでは土佐市へのふるさと納税をボイコットしようという声も、ここに来て出ている状況。今回のトラブルの過程で、移住者側が「このことをSNSで発信する」と言った際、有力者側は「たかがSNSや」と言い放ったようだが、そのことも怒りの火に油を注ぐ格好となったようだ。

とはいえ今回の件に関しては、今のところ移住者側の言い分のみが独り歩きしており、有力者側や土佐市側の見解は未だ出ていないといった状況。特に土佐市としては、ふるさと納税の大幅減収も見込まれるという、看過できない状況であることは間違いなさそうなのだが、それでも地元の有力者をかばい立てする説明をするのか、今後の同市の対応に注目が集まるところだ。

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