高知県土佐市に地域おこし協力隊として移住した人物が、地元の有力者に目を付けられて追い出されそうになっていると訴える一連のツイートが、大きな話題となっているようだ。
【拡散お願いします】
田舎はどこもこうなんですか?
地域おこし協力隊として東京から高知に移住したのに、地元の有力者に従わなかったら出ていけと言われました。市役所も言う通りにしろと言います。
「Twitterで発信します」と言ったら「たかがSNSや」と鼻で笑われました。現状を知ってください。 pic.twitter.com/udCYfTK1pG— 崖っぷちカフェ店長@理不尽な退去通告、私物化されたNPO法人と戦う (@kurumi121422) May 10, 2023
そのツイートによれば、地域おこし協力隊の募集に応じて、県外から高知県土佐市に移住した夫婦は、同市が所有する物件でカフェを開業。やがて人気店となったものの、同時にカフェがある建物の「指定管理者」となっているNPOの理事長である80代男性が、店員への恫喝やセクハラ行為を行ったり、「俺が見つけてきた料理人を雇用しろ」などと店の経営に口を挟むように。
その後NPO理事長は、物件から退去するよう通告する旨の文書を“捏造”し、その夫婦に突きつける事態に。いっぽうでNPOを監督指導する立場にある土佐市側は、以前同市による公共事業において、反対派住民の切り崩しにそのNPO理事長が暗躍したという“恩”があるため、頭が上がらず。最終的にはNPO理事長とともにカフェに退去を迫っているとのこと。
ちなみに、いかのカフェが退去した後には、NPO理事長の知人の飲食店が入居する予定になっているという。
四国で相次ぐ地域おこし協力隊への嫌がらせ
つい最近も、北海道のとある村に移住した女性YouTuberが、村の男性からの執拗なアプローチにくわえ、それを断ると悪い噂を流される、さらには複数の男性によって自宅を襲うといった計画も浮上するなどし、村からの避難を余儀なくされたという話が報じられるなど、度々あがる地方移住を巡るトラブル。
いっぽうで、地域おこし協力隊による移住者と地元の一部住民との間でのトラブルというのもよく聞く話。
今年1月には、同じく四国の愛媛県に移住した人物が、地元の顔役的人物らとの関係が悪化したことがきっかけで、様々な嫌がらせを受けるようになり、ついにはボヤ騒ぎにまで発展。最終的にその土地から出ていくこととなったという話が、朝日新聞などの全国紙も取り上げるなど、大きな話題となったばかりだ。
「これだから田舎は…」といった反応が、事あるごとにあがるこれらの騒動だが、ともに地域おこし協力隊絡みの今回の件と愛媛の件をみてみると、いずれも地元の有力者とされる人物との軋轢が、その後のトラブルのきっかけとなっており、それに他の地域住民も抗えず……という構図が、お決まりのパターンとなっているよう。
SNS上では、今回の騒動を受けて「地元の有力者」なるワードがトレンド入りするなど、大いに取沙汰されている状況で、この手の話はどんな田舎にもよくあることだという見方もあるいっぽう、殊に土佐市に関しては、件の有力者の自宅周辺だけしっかりと道路整備がされているといった話も浮上するなど、周辺の他地域と比べてもそういった人物が幅を利かすことの多い「めんどくさい土地」であるとの声も、少なからずあがっているところ。
土佐市の例のNPOの爺さん、自宅周辺の道路を見たら爺さん家の直近の交差点だけ着色舗装してあって草。うちの市でも強い市議の家の近くから道路整備したりするし、典型的な地元老害有力者って感じがする。圧力かけたんだろうな。
— タんマ (@cynopscynaps) May 11, 2023
地の利のある人間が言うけど、土佐市はまじ、あらゆるジャンルでそれぞれの有力者が権力を振るってるし、明治時代かな?ってくらい前時代な部分あるし、めんどくさい土地なんよ。
隣の春野や須崎では絶対起こらないことが、土佐市では当たり前に起きる。… https://t.co/VJ5bcsdJLI
— 永田たま (@Tamamo9th) May 10, 2023
実際、移住夫婦のカフェが入っている建物は、過去にもこのNPOの“横槍”が理由で、決まりかけてた入居話がおじゃんとなったことがあるようで、さらには同市の地域おこし協力隊の募集に関しては、常に募集中だったという話も。となると今回の件も、起こるべくして起こったという感もしてくるところだ。
土佐市の南風の件、以前も似たような事が起きてたのか…https://t.co/wd78UwH5Ir
— おてつ@ヘンタリス党員 (@guruado) May 11, 2023
地域おこし協力隊のサイト見てると土佐市って常にずーーっと募集かかってて、怪しいなと思っていた。そういうところちゃんと見た方がいいよ。常に募集してるってまぁそういうことだよ。あと「地域を盛り上げよう」なんて地元の人は全く望んでないから。それ役所だけの希望よ。 https://t.co/aNW86oYgoA
— cookieeee monsters (@cookiest_mon) May 10, 2023
セクハラ相談に「尻でも触らせて機嫌を取れ」と答える市職員
いっぽう、先の愛媛の件と今回の件での共通点ということでいえるのが、地元自治体があくまでも日和見な姿勢で、それどころか移住者側に折れてもらおうといった動きを取るなど、この手の問題の解決においてほとんど機能していない点。
今回の件でも土佐市側は有力者側の立場に立ち、カフェを営む移住夫婦に対して退去通告を行っているとのことで、さらには先述の有力者による“セクハラ”に関しても、市職員は「尻でも触らせて機嫌を取ればいい」と応じていたとのことで、まるでお話にならないといったところ。
それゆえに、SNS上では土佐市に対しての不満の声も多いようで、今回の件とはまったく無関係な“観光協会”のSNSアカウントに特攻する者が絶えないといった状況なのだが、そのいっぽうでは土佐市へのふるさと納税をボイコットしようという声も、ここに来て出ている状況。今回のトラブルの過程で、移住者側が「このことをSNSで発信する」と言った際、有力者側は「たかがSNSや」と言い放ったようだが、そのことも怒りの火に油を注ぐ格好となったようだ。
南風の件知りました。土佐市にふるさと納税してましたが今年からやめます。 https://t.co/PijFlwhLZZ
— みなと (@meekundayoo) May 10, 2023
【移住してきた人への嫌がらせ】
・都会から移住
・繁盛してる喫茶店に成長!
・昔からの有力者が公務員巻き込んでカツアゲ中!#高知県土佐市 #ふるさと納税拒否
第3者が出来るのは、ハッシュタグを実行、周知拡散です🍀
高知県土佐市には『ふるさと納税しない!💢』これが平和的な抗議かも!? https://t.co/XWzmSXKilS
— 燁姫(あきひ) (@AkihiGFL2022) May 11, 2023
どなたかが仰ってましたけど
土佐市へのふるさと納税をしないのがSNSの力を知れるかも…
田舎は怖いですね、— かずんこ♪ (@darkcyan_kazu) May 10, 2023
とはいえ今回の件に関しては、今のところ移住者側の言い分のみが独り歩きしており、有力者側や土佐市側の見解は未だ出ていないといった状況。特に土佐市としては、ふるさと納税の大幅減収も見込まれるという、看過できない状況であることは間違いなさそうなのだが、それでも地元の有力者をかばい立てする説明をするのか、今後の同市の対応に注目が集まるところだ。
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