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米国株式市場を牽引するFANG銘柄の真実とS&P500への重大な勘違い=東条雅彦

IBM、エクソンモービルの相関係数

S&P500の中にはFANG銘柄のような華やかな銘柄がある一方で、まったく株価が上昇しない銘柄もあります。

例として、IBMエクソンモービル(XOM)とS&P500との相関係数を調べてみました。この2銘柄はいずれも業績不振で株価が上昇しなくなっている銘柄です。

<相関係数(2012/5/19〜2017/10/23)>

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エクソンモービルは-0.28で「弱い負の相関あり」、IBMは-0.69で「負の相関あり」になっています。

案の定、S&P500の足を引っ張っている銘柄は「負の相関あり」になってます。いずれにしても、この2銘柄の相関係数は先程のFANG銘柄と比べて、かなり低い値になっています。今の所、S&P500とはまったく足並みを揃えて上昇するどころか、逆に下落してしまっている状況なのです。

<S&P500 VS IBM・GE(2012/5/19〜2017/10/23)>

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Facebook、Amazon、Netflix、Google、IBM、GEは業績とまったく無関係に動いているわけではありません。むしろ、このように「勝ち組」と「負け組」で株価の明暗が分かれている所を見ると、過去5年5ヵ月という期間においては、ミスターマーケットは正しい判断をしているように見えます。

実はFANG銘柄よりもS&P500の方が加熱している

FANG銘柄がS&P500の牽引役になっていることから、「FANG銘柄は割高、S&P500は割安」という見方がいつの間にか根強くなってしまいました。

しかし、必ずしもそうとは言えません。なぜなら、FANG銘柄の成長率がとても高いためです。事業の拡大スピードに合わせて、株価が上昇しているのなら、それはバブルとは呼べません

FANG銘柄の売上高成長率(過去10年間)は次の通りです。

<FANG銘柄の売上高成長率(過去10年間)>

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恐るべきことに、FANG銘柄の成長率は異常とも呼べるぐらい高くなっています。過去5年、過去10年の平均売上高成長率は以下の通りです。

<過去5年、過去10年の平均売上高成長率>

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過去5年平均成長率が最も低いGoogleでも20%近くの値を示しています。これはハイテク銘柄以外の企業からすると、信じられない程の高い成長率です。

Next: FANGの株価が高いのは当たり前、過熱しているのはむしろS&P500だ

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