日常生活における4つの行動とFANG銘柄の関係
本稿では過去5年または過去10年を振り返って検証しています。未来のことは一言も書いていません。
もし、今後、FANG銘柄の成長率が下降するのなら、株価は暴落するでしょう。FANG銘柄が驚異的な業績を叩き出している原因に共通しているのは、インターネットの利用人口と利用時間の増加です。特にスマートフォンの普及によって、今までインターネットに接続されていなかった人も1日24時間、接続しっぱなしになっています。
<今、生活に定着している4つの行動>
・Facebookでお友達と情報をシェアする。
・Amazonで買い物をする
・Netflixでドラマや映画を視聴する
・Googleで調べ物をする
上記の4つの行動を取る人が増えているため、FANG銘柄は業績を伸ばしています。一方で、それ以外のレガシー事業を展開している企業は苦戦を強いられています。
当メルマガ読者さんの中で上記の4つの行動をまったく取っていないという人は、おそらく皆無でしょう。株式投資の世界は普段の生活と深く関わっています。むしろ、普段の生活と投資行動を分離すべきではありません。
普段の生活を通して株式市場を見ることで、目の前で起きている現象が「本物」なのか、それとも「偽物」なのかが判別できるようになります。
人々がスマートフォンを捨てて、インターネットに接続しなくなって、以前のような生活に逆戻りするとは思えません。もし可能性があるとすれば、FANG銘柄のライバル企業が出現して、市場を奪われる時が滅亡の時になるでしょう。そして、今の所、FANG銘柄の刺客は見当たりません。
長期投資家にとってはここが最も悩みの種です。刺客がいない状況というのは、突然、誰も考えもしなかった方向からやってくるかもしれない。いわゆる、ブラックスワンという現象ですが、黒い白鳥が出現しまくるのがビジネスの世界です。
どんな投資にもリスクがあることは受け入れなければいけません。
補足事項「身の回りで起きている変化に注意しよう!」
10月24日の夜、私はTwitterで次のようにつぶやきました。
最近、FANG銘柄が全部、バフェット銘柄に見えてきて、困る。
たぶん、間違っているんだけど(笑)うーん、その真偽を確認するために、時々、タイムマシンが欲しくなる。
・・・でも、未来がわかっちゃうと、きっとつまらないんだろうな。ドキドキ、ワクワクも含めて、株式投資だと思う。
— 東条雅彦 (@tojomasahiko) 2017年10月24日
特に最近、ショックだったのがITにまったく興味のない友達がNetflixに入ったこと。「Netflixの方が安いし、TSUTAYAはそのうち全部潰れる」という大胆な予想を口にしていた。
今回のは、ITに興味のない世間の人々の生活様式を変化させ、「実利」が伴っている。
— 東条雅彦 (@tojomasahiko) 2017年10月24日
FANG銘柄の中で、Netflixだけ全然、馴染みがなかったけど、身近な人が顧客になったことで、「まじで」と驚いた。
米国系ハイテク企業はヤバイ。一気に市場シェアを取ってくる。日本企業は勝てるのだろうか。
米国企業に囲まれて生活する未来が頭によぎってしまう。ある意味、怖い。
— 東条雅彦 (@tojomasahiko) 2017年10月24日
FANG銘柄は株価抜きにすれば、素晴らしい企業群だと思います。もちろん、今の株価は「割安」ではありません。FANG銘柄の株価は金融危機が伴うようなイベントがないと株価が落ちてきそうにありません。そのため、次の金融危機で大暴落した所を拾うのが最も賢明な投資戦略だと思います。
ただし、問題が2つあります。
1つはその大暴落がいつ起きるかがわからない点です。もう1つは次の大暴落が起きるまでの間に、FANG銘柄の事業がどんどん拡大していき、株価がさらに上昇してしまう点です。
その間、レガシー事業を展開しているオールドエコノミー企業はFANGに顧客を奪われるので、減収減益が続きます。第4次産業革命が本格的に立ち上がる2020年代の中盤に差し掛かると、その傾向がより強くなってくるでしょう。そして、この現象は金融危機が起きようが起きまいが、無関係で生じます。個別銘柄で勝負している人は、銘柄の選定がとても難しい時代に入ってきたと思います。
株式投資と自分の生活を分離しないで、「身の回りで何が起きているのか?」に細心の注意を払っていきましょう。いずれにしても、後悔のない選択をしていきたいものです。