ネットカフェはバンコクで働くオタク息子の「セーフティネット」
――ゲームを順番待ちする子どもが大勢いましたが、お店の規模を拡大する予定は?
「パソコンを増やしたり、店の面積を増やす予定はなし。いまぐらいがちょうどいいと思っているわ」
――それは需要の問題でしょうか?それともこれ以上の儲けはいらない?
「どちらもあるけど、そうねぇ。そもそも、このネットカフェは、もし息子に仕事がなくなったら、いつでも譲ってあげられるようにとオープンしたものなのよ」
――えっ!そうだったんですか?
「そう。息子は昔からゲームが大好きだし、店を継ぐならクィティアウ屋よりネットカフェのほうが嬉しいでしょ(笑)だから、無理して規模を拡大する必要はないのよ。旦那の稼ぎもあるしね」
なんと、開業理由に息子を思う母の愛があったとは。おかあさーん!あいさ、なんだか感動です。
聞けば、12,000バーツの利益はKaeさんにとってお小遣い程度の額とのこと。お金のためだけのご商売じゃなかったんですね。
そういえば、私の知り合いのタイ人でも「もし失業したら、その時は田舎に帰るさ」なんてことをサラリと言う方は多いです。彼らと話していて、一般的な日本人の「都落ち」的な悲壮感をあまり感じないので、フシギだなと思っていました。
ひょっとしたら、タイの至るところにある小規模の屋台やサービスが、ある種のセーフティネットとして機能しているのかもしれません。
さて、タイでは様々な施設にPCがあり、一般家庭にもそれなりにPCが普及しています。それでも子ども達はあえてオンラインゲーム専門のネットカフェに集まるんですね。
しかも、どこのネットカフェも大勢の子ども客で、そこそこ繁盛しているように見えます。
今回取材してみて、ネットカフェはタイの子どもたちにとって、日本の(ひょっとしたら一昔前の?)ゲームセンターと同じようなものなのだろう、と思いました。
オーナーのKaeさん曰く「自宅にパソコンがある子はもちろんいる。けれど、こうして友達と遊ぶためにお店に来てくれるんだから、この商売は長いこと繁盛しそうだわ」とのこと。
私も子どものころ、先生の「道草してはいけませんよ」の注意を無視して、放課後ゲームセンターに通っていた時期がありました。それと同じで、タイの子どもたちも友達とのコミュニケーションツールとしてネットカフェを利用しているのでしょうね。
Kaeさん(52)ネットカフェ経営
に景気アンケート!
あなたの景気は100点満点で何点?
「40点!バンコクほどではないけど、ナコンナヨックも物価が高くなって住み辛いわ。もっと田舎なら楽なんだろうけどね」
これから景気は良くなると思う?悪くなると思う?
「景気はいまのままだろうねー。物価と収入の上昇ペースが合っていないから、景気が良くなったとなかなか感じられない、困ったものよ」
いまいちばん欲しいモノは何?
「家も車もあるから、強いて言うならおしゃれなカバンかしらね。本当はシワを取りに行きたいんだけど、まだ迷っているわ(笑)」
路地ウラウォッチャー – あいさ
27歳、沖縄県出身。タイ・バンコク在住6年目。語学学校通いや現地就職などを経てタイ人の夫と結婚し定住を決意。2014年に生まれた息子の育児に奮闘しつつも持ち前の好奇心とタイ語を駆使し、まだ行ったことのない場所に突撃しては驚かされる毎日。
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