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ただの食い物屋になってしまった「鳥貴族」、客数と株価を落とした戦略ミスとは?=山田健彦

メディア戦略を間違えたか?

「値上げ後、特にファミリー層や40代以上のお客様を中心に来客数が減少したものの、もともとのターゲット層である20~30代の社員・学生のお客様は値上げ以降も来店の減少は見られない」との会社側分析を公表しています。

「もともとのターゲット層である20~30代の社員・学生」以外の層が増えてから減ってしまった要因ですが、会社側では「上場や過去のTV放映等を背景とした認知度向上により自然と広がった客層(ファミリー、シニア)が、価格改定を機にご来店を控えられているものと想定」と分析しています。

考えるに安易にメディアの取材を受けてしまったため、本来のターゲット層以外のお客さんが一時的に増えてしまい、それが値上げを機に去っていったということのようです。
※参考:http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/backnumber/2015/0409/

ネット上のコメントでも「鳥貴族に行ってきました。夫婦で『どれもこれも塩辛い。もう2度といかない。大学生向けだね』と話してました」とか、『今の鳥貴族はサラリーマンはほとんど行きたがらない。特に年齢が高ければ高いほど行きたがらない。仕事帰りに寄ってもほとんどが20代前半の客層で、それ以上の年齢の人間には非常に入りにくくなってしまった。今では焼き鳥を食べようかとなっても、『鳥貴族以外で』が仲間内では暗黙の了解事項となっている」など、年齢層が比較的高いと思われる層が離れているのが分かります。

マーケティングがチグハグ?

本来であれば、ターゲット層以外の層が離れていくのは「想定内」として、放っておいても良いのでは、と考えられます。

しかし、店舗のHPを見てみると、会社の上司と部下たちの飲み会のようなイメージ写真を載せて、年齢が高い層にも来て欲しいようなアプローチをするなど、マーケティングがチグハグな印象を受けます。

マーケティングを見直さないと成長は難しい

鳥貴族の株価が低迷している要因は、
・タッチパネルの導入でお客さんとのコミュニケーションがなくなった
・メディア戦略の間違い
・チグハグなマーケティングが混乱をもたらした
ことにあるのではないかと筆者は考えています。

本来のターゲット層は離反していないので、業績の下落はもうしばらくで止まるのではないかと思われます。

しかしマーケティングを見直さないと、混乱は続いたままになりそうな気がします。

image by:StreetVJ / Shutterstock.com

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資産1億円への道』(2018年8月16日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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資産が1億円あるとゆとりある生活が可能と言われていますが、その1億円を目指す方法を株式投資を中心に考えていきます。株式投資以外の不動産投資や発行者が参加したセミナー等で有益な情報と思われるものを随時レポートしていきます。

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