親は安易に答えを与えない
もうひとつ、子どもが質問をしてきたとき、親が即答しないことも大切です。「なんでだと思う?」といったんは子どもの意見を聞いてみる。親がわからないことでも、一緒にあーでもないこーでもないと考えることです。
また、子どもは見えない理由には興味を持てないですから、体験させることも必要です。たとえば新幹線が好きで疑問が湧いたとしたら、実際に見に行ってみる。試せるものは試してみる。体験が難しいものは、そんな動画を探してみる。
そうやって持続的に疑問を持って問いかける習慣を、子どものときからつけさせたいものです。
人と違うことを面白がる
子どもの自己肯定感を高め、個性や才能を引き出すために親ができることは何か。それは、他人と比較することをやめ、他人と違うことを推奨することです。
子は他人と比較されると、自分自身も他人と比較しなければ自分の価値を認識できなくなってしまいます。つまり自己肯定感が低くなるのです。
そのため、人の目を過剰に気にし、人と劣っていれば挫折感や劣等感、あるいは嫉妬心を抱き、人より優れていることに優越感を覚え、マウンティングするようになってしまいます。
そのためには親が率先して「人は人、うちはうち、それぞれ違っていていいんだ」という姿勢を見せることです。
そして、自分の子が人とは違っていても、周囲に理解されないことがあっても、変わっていると言われても、それを歓迎する。人と違う意見や行動を親は、「素敵だね、おもしろいね、それいいね、いいアイデア」だね、と喜んであげる。
そうすれば、自分は素の自分を出してもいいんだと思えるようになります。人と違っても堂々と自分の意見を言えるようになります。
それは、自分と違う他人を受け入れられる寛容性につながり、他人を尊重する心が養われます。
そうやって人と違う独自性を大切にさせること。むしろ「みなと同じだと不安」になるくらいでちょうどいいかもしれません。